ワーファリンと透析患者さん | cardioのブログ

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大学院生でもあり、専門医を持つ医者でもある、そんな人って何をしているのだろう・・・そんなブログ。

よく外来に来る紹介パターンの一つ。

たとえば、透析患者さん(腎硬化症)。77歳男性。
発作性心房細動。透析クリニックから、ご紹介。

透析患者さんへのワーファリンは、添付文書上、禁忌(使っていけない!)です。
でも、医療をする上で、薬の説明書上は禁忌でも使っているものなんてたくさんあります。
例えば、心筋梗塞にステント使うこととか・・。
なかなか医療の事情・安全性と、薬の添付文書はマッチしていません。
でも、一応、禁忌だという知識は必要です。

話がそれました。
で、透析患者さんのワーファリン使用について、すごく有用なエビデンスはないと思います。
透析の人は、血が固まりやすそうですけど、週に3回の透析のときは抗凝固剤使うので、
さらに内服でワーファリンを飲む意義が薄れる可能性があります。
また、透析患者さんは逆に血が出やすい人でもあります。
ワーファリンの副作用が出やすいということですね。
一応、これまでの文献からは、人工弁の人、塞栓症を起こしたことのある人、75歳以上、
CHADS2点以上では、メリットがあるのだろうとされています。

この人はCHADS2点で、出血の既往もないので、ワーファリンの内服をお勧めしましたが・・。

透析患者さんのケアについては、世界の中で日本がずば抜けて厚いです。
逆に、海外からのデータが少ないところでもあり、今後のデータの集積が望まれます。

なんか、今日はまじめな話でした。