0歳から参加できる こどものための音楽とおはなし会が2月21日(火)、中野区産業振興センターで行われました。
申し込みは約150人と満員御礼となり、約1時間の親子向けのメニューが繰り広げられました。
私は最後のディズニーメドレーの伴奏3曲で参加しました。
出番まで、後方で観ていたのですが、親子で左右に身体を振ってリズムに合わせて下さる姿がとても微笑ましく、肩肘張らない参加型のイベントはとても良いなあ・・・と思いました。
主催の方が、各家庭にミニマラカスを渡して下さるのですが、これは小さいお子さんでも握って振れる。まだリズムの取り方がわからなくても、音楽を耳で聴き振ってみる事が、音楽に自然に入って行ける、良いチャンスになりますね!。
音楽会はともすれば「音を出してはいけませんよ、小さいお子さんはご遠慮下さい。」が多いもの。それはそれで大切で、その事が必要な音楽会がほとんどです。
ただ子育て中、特に小さいお子さんを抱え、主に専業主夫、主婦で育てている親御さんにとっても、息抜きは必要。そんな時、多少幼児が歩き出そうが、泣こうが、入退室自由な空間で音楽に触れられるのは良い試みだと思いました。
実は私の友人達も、数人いらして下さいました。昔から長く、私の活動や、出演した「福結」メンバーを応援して来てくれている人達で、終演後、皆でランチする事が出来ました。
その中の一人とは久し振りの事もあって、ランチ後もお茶して、昔の子育ての話になったのですが、不思議にも共通点があって盛り上がりました。これ、40年前位の話ですよ。
彼女は関西方面出身なのですが、結婚して上京、誰も知り合いのいない環境の中で初めての子育てはとても大変で孤独でもあったと。
私も結婚後、主人の転勤で東京を離れ宝塚市に住む事になり、これ又、全く親戚、知人が周囲にいなかった。
住んでいたマンションは坂の上にあり、駅から登るのが大変。
その間、曲がりくねった道の両側には大きなお屋敷が次々現われ、その途中に申し訳程度の⁈猫の額位の小さな公園がありました。一人目が生まれましたが、そのマンションで親しくなった方々のお子さんは小、中学生か成人の人が多く、遊び相手はほとんどいません。
仕方なく生後数か月の子をベビーカーに乗せ、先程の公園に行くのですが、他の同世代の親子と会う事はありませんでした。
先程の東京で一人で子育てしていたという友人と
「今の様に主人が子育てに参加してくれる時代でも無く、私達も主人は仕事だからそれで当たり前で仕方無いと思っていたわよね。横つながりで助け合うとか、預かってくれる所もほとんど無かった。だから結構、子育ては楽しいと言うより孤独だったのよね。」と意気投合。
何を隠そうこの私、それでもめげずに、当時ようやく出始めた赤ちゃん雑誌なるものから、大阪に数時間預かり保育をしてくれる施設を見つけ、1時間以上かけて車を運転し、預けに行った事があります。ほんの1時間でいい、自分だけの時間が欲しく、近くに音楽教室の貸しピアノまで見つけ、長く遠ざかっていたピアノをその間、弾きたいと思ったのです。最初の30分は一心不乱に弾いていたのですが、他人に預けられた事の無い我が子がどうなっているか気になり始め、心ここにあらず。リフレッシュの為のピアノになど、全くなりません。
それでも「途中で止めては勿体無い、この1時間だけは。」と心を鬼にし1時間が過ぎ、施設に駆けつけると、やはり我が子は泣き続けていた様でした。
私を見るなり、スタッフの方の腕の中から身を乗り出してしがみついて来て・・・余程不安だったのでしょう。帰途は少々罪悪感を覚えながら、心身共にヘトヘトになり、1時間以上運転して帰宅した覚えがあります。今日一日は一体何だったんだろう⁈
マンションに同じ年頃の子が一人もいなかった訳ではありません。同い年の女の子もいて、何度か遊ばせた事もあります。が、ママは音楽教室で教師のお仕事を持っていらして、仕事の日にはご自分のお母様、義理のお母様が面倒をみて下さるのです。食事の世話からオムツ替え、ママが帰宅する頃にはお風呂までいれて下さって。
仕事のある午後、お母様と入れ替わりに、ステキな格好で坂をいそいそと下り、出掛けて行く彼女を羨ましいと思った事は、正直何度かありました。
又、お子さんもママから離れる事に慣れているから人見知りもしないし、おばあちゃまの効果⁈ 少し大きくなったらストローが使える様になったり、何でも先に先に出来る様になる。
私にしてみれば、なにしろ初めての子をたった一人で育てている。自分はこんな一生懸命やっているのに、何だか自分の子供が遅れている様に感じたり、自分の努力がこうも反映されないものか?とジリジリしたり、虚しく思う事もありました。
「人の子と自分の子を比較したりするのは最も意味の無い事。」とかよく言いますよね。
それはもっともな事で、私もこの歳になれば実にそうだと思います。
でも、周囲に話し相手、相談相手もいなければ、自分で考え込む、抱え込む、という事は起きうる・・・特に初めての子の場合に多い。真面目な親ほど陥る負のスパイラルかもしれません。
まぁ私の場合、同じマンションの住人の中に、自宅のお茶にいつでも快く誘って下さるステキな方がいらして随分救われました。又2人目、3人目と立て続けに生まれると、考えている暇が無い程忙しく、その間転勤もあったので、追い込まれる様な危機は、ほんのかすめた程度で終わったのですが。
ね、多分数十年前でも現代でも、変わっていない事がいっぱいあるのが子育てなんですね。
ただサポート体制、子育てを取り巻く環境はそれでも随分良くなって来ていますよ、昔より。
トイレにおむつ替えのスペースがあったり、ミルクを作る事の出来る給湯器がデパートに用意されていたり、預かってくれる場所も増えたり。こういうちょっと息抜き出来る公演だって然り。
ところで今回公演を観に来てくれた私のお友達にも小さなお孫さんはいらして 「連れて来ようかとも思ったけれども、保育園に行っているので。」との事でした。パパだけでなく働くママも増えている時代ですからね。ただ、働いてもそこで得たお給料がそのまま保育園に充てる費用になってしまう事を考え、あえて専業主夫、主婦を選んでいるご家庭も一方でそれなりの数、ある様です。
その理由は今、述べただけではありません。経済的な理由と言うより、この大変、でも大切な時期を子供と過ごしたいと、積極的に選択する方もいらっしゃいます。夫婦の年収、社会的地位、子供の数、子育てへの関心度等によっても異なりますね。
ただ、平日午前中に参加された方の多くは専業主夫、主婦の方々が多いのかと思われます。
とても大事な場であると共に、どういうものが求められているのでしょうね?
音楽について言えば、どんなものを望んでいらっしゃるのか、直接伺ってみたいものです。
短い時間でも日常を離れ、ちょっと違う世界を旅して楽しんで頂ければ嬉しいな!!
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