「のんちゃん、これあげる!」


差し出された小さな手の平の上にはたいてい小石が乗っている。

小さな子供って本当に石が好き。

でも集まってきた石たちはすべてどれも個性的。

これを選んだツボがどこだったのか聞くのが好き。

マーブル模様が珍しい

つるつるで触り心地がいい

綺麗な三角

時には歯みたいな形だからという謎のツボもあった。

それをとりあえずデニムのポケットにつっこんだまま忘れていてある日こつんこつんこつん、と放り出てきて、また二度目の幸せを味わう。

そしてわたしのなんか捨てられない大事な物入れというスペースにしまわれる。

そこにはわたしの似顔絵もある。

たいていピンク色のクレヨンでかかれた私の似顔絵。

ピンク色のイメージがあるんだなーとほくそ笑む。

まんまとわたしの印象操作どうりに子どもたちはピンク色のクレヨンを選ばされている。


ふっふっふ。



小さな子どもたちからはいつもとても大事なことを教わる。

いつも何かプレゼントしたいという一番嬉しい気持ちをプレゼントしてくれる。

グミを二粒とか笑

何も渡すものがない時は突然ハグしてくれたりする。

なんとしてでも好きと伝えようとしてくれる。



この間ね?

年末の連休に入る前に休み前にバタバタと軽い確認事項を何人かと立ちっばなしでやり取りしていて

目の端にそのやり取りが終わるのを待っている入社2年目の男の子がいたのね。

あ、なんか伝えたい連絡事項があるんだな、後回しにしてごめんよと心の中であやまりながらも他の方々を優先していて

やっと終わってごめんごめんどした?

と話しかけたら


「のんさん、これ絶対好きなやつだと思ったから。」


差し出されたのはなんとお煎餅だった。

しかも半分ぐらい食べられていて残りは5枚ぐらいしかない。


「…残りどした。」


まあ先にお礼を言うべきだよね。

うん。

でもわたしはそういう女です。笑


「いや、残業しつつ食べていたらふとこれのんさん絶対好きなやつだわと思って。」


わたしはたまにお煎餅食べながら仕事をする。

よく見てるなー好みドンピシャ。

このあとも残業があるその子が食べなさいよと大人の余裕見せるか一瞬悩んだけどわたしはその子の尻拭いをしたばかりだった。

しかたないね、心の負担を軽くしてやろうじゃないかと思って


「じゃ、おすそ分け♡はい、あーんして!」


口を大きく開いたその子の目の前でバリバリ自分の口の中にいれてバリバリ食べながら残りのお煎餅を全いただきした。

こんなご時世あーんはしたらダメなやつだと途中で気づいたのである。



※そのあとその子にちゃんと差し入れ届けたからご安心ください(ブラックサンダー←大人げない差し入れ)



ちなみに後日、一応言っておくけど私の事好きになってもムダになるからやめておきなさいねとふざけて(でも一応の一応ほんとは念のため)言ったら大爆笑しながら


「のんさん、おもしれえ!!」


と返され安堵と共になんとなくその無邪気な大笑いにむかついて脇腹の肋骨と肋骨の隙間に指を入れてがくがく上下に振ってやった。



「…っや、わりと痛えんすけど!マジで!」


当たり前だわ痛みを与えるつもりでやってるからわたしは。


話を戻します。笑


バレンタインデーには海老で鯛を釣ると言って

s&p500より確実に儲かる投資だよと言って


……あとは濁しておきますが…


ホワイトデーには無理してお返しのものを買わずに綺麗な小石を拾ってプレゼントしてあげてみてくださいませ。

その時のその方の表情がたぶん、その方の本当の表情だと思います。




わたしならあなたからの小石のプレゼントはとっても嬉しいですぅ♡




※もちろんダイヤモンドのことデス笑♡