私が元々、婆と相性が合わないのも

あるのですが。


とにかく、婆と私は口喧嘩が絶えません。

婆がアルツハイマーになってからは、

その回数も減ったのですが。


毎朝の婆の口癖。

迎えに来たデイサービスのヘルパーさんに

『こんな服で良いかね?』

と聞きます。


自分で服を選ぶ事ができない婆に、

毎朝、毎朝、何を着て行ったらいいかと聞かれ、

家事の手を休めて服を出してやるのに、

結局、それに納得していないのでしょう。

毎朝、毎朝、スロープを降りながら

『こんな服で良いかね?』

とヘルパーさんに問う婆。


気にいらないなら、自分で好きな様に服を出せば

いいじゃないか、と思うものの…

デイサービスから帰宅する頃には

朝の不安など、とっくに消えているわけで。


『病気が言わせているんだから、仕方ない。』

と、旦那が励ましてくれるものの、

朝から気分が沈みます。


調子の良い時の婆は、

言葉に棘があって困ります。

私の気を引きたいのは分るのですが、

こちらも聖人君子ではいられないので。


例えば、麦茶のグラスを倒した時、

私が慌てて、台拭きで拭いていると、

『ごめんね、迷惑をかけて。』

といいます。


そこまでならいいのですが、

『できるだけ、早く死ぬから。』

と平気な顔をして付け加えます。


本当にボケているのかと疑いたくなるほど

どんぴしゃのタイミングで。


少なからず、私に迷惑をかけていることは

婆も自覚があるのでしょう。

それを逆手に取って、私の気を引きたいのも

分るのです。


天邪鬼婆の

『迷惑をかけたくないんだよ』

という気持ちの現れなのだと言う事も

分かっています。


『そんな事言わないで、長生きしてよ。』

と、私に言って欲しいのでしょう。


でも、私は言いません。

多分、これからもずっと。


爺の事も、子供のことも、孫の事も

愛犬の事も、全部が自分よりも後回し。


婆がボケる前。

私が物心ついた頃からずっと、

婆は、何よりも自分を一番に考える人でした。


ボケても同じ。

相変わらず自分の事だけしか考えない。


自分を疎んでいる娘の世話にならなきゃ

いけない婆は、本当は可哀想なのかも。


爺が、婆とあちゅとの生活を望んだから。

私も覚悟して、同居に踏み切ったけれど。


私の事も全部忘れてくれたら、と

この頃、よく思います。


そういう日が、遠くない未来には来るのでしょう。


そうなる前に、少しでも婆に優しくできる様に…

私も成長したいものです。 <

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