歩行困難の爺は、腰が曲がらず、

自分で靴下やオムツを

履き替える事ができません。


靴下は全くだめなので、

脱ぐのも履かせるのも

婆が手伝います。


オムツは腰掛けさせて、

足を通してやり

膝まであげてやれば、

後は自分でできる様なのですが。


四年前の暮れ、

どうやらインフルエンザの菌が

悪さをしたようで

意識朦朧、高熱に侵され、

失禁を繰り返した爺は

救急病院に搬送されました。


そこで一ヶ月、寝たきり。

二ヶ月リハビリを続け

リハビリ専門施設に転院して

さらに三ヶ月。


家が建つのに合わせて、

めでたく退院となったのですが、

筋力が落ち、一回、横になると、

なかなか一人で起き上がれません。


腰が曲がらないので、

靴を自分で履く事もままならず、

当然、トイレが間に合いません。


オムツにも限界吸収量というのが

あるのだと、何度も説くけれど。


寝る前にオムツを変えてくれと

何度も頼むのだけど。


朝になったらオムツが

オーバーフロー、飽和状態で…。

ベッドもシーツもズボンも全て、

おしっこでびしょびしょ。


加えて糖尿病だから、

喉もとても渇くらしくて

水分制限もなかなか上手に行かず…


婆は、爺が、しかぶったズボンを、

当たり前の様に、

私達の脱衣籠に押し込めます。


手前に水色のバケツを置き、

この中に入れてと頼んでても、

婆が覚えてくれるはずもなく。


爺に、

『婆は覚えられないから、

濡れた服は、自分でバケツに入れて』と

頼んだけど、

おもらしが恥ずかしいのか、

濡らしたズボンや上着の裾を、

ハンガーにかけて、

こそっと乾かしています。


糖尿病のおしっこは、

匂いが独特で

一度、水洗いしてからじゃないと、

単に洗濯しても匂いはとれず。


婆に、

『水洗いくらいしてよ!』、と頼むと

『どうやって洗ったらいいか、分らない』と

もっともらしい言い訳をします。


わかってはいるけど。

多くを望んでは駄目だと。


わかってはいるけど。

これは病気のせいだと。


わかってはいるけど。

二人の介護は大変だと。


でも、

何で?何でこんな事がわからないの?

と思わずにいられません。


明日がまた辛いから、

今から爺婆の部屋に行って

オムツ交換に立ち会おう。


今日は一日、良いお天気で。

爺が濡らしたズボンもシーツも

一発で乾きました。


今は暑さが続いているから

いいけれど。

冬になったらどうしよう。

去年の冬はどうしていたっけ?


考えるとまた悲しくなるので、

今は、太陽に感謝しながら

寒くなるまでに対策を練ろう!




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