別室で 茶事のテーマに密接に関係する道具のこと、お菓子の盛り付けのこと、点茶に相応しい水のこと、お茶の点て方と飲み方のことなど、いろいろ学んでもらった後で、子どもたちには いよいよ茶室に入ってもらいました。
文化体験講座を受講するために 酷暑のなか来てくれる子どもたちに、少しでも涼しさを届け、山奥に咲く花や、滝の近くで遊ぶ猿とともに楽しんでもらいたいと考えながら、この日の床は設えられました。
一人ひとりが その床を見た後、席順は年功序列で、中学二年生が一番上座の位置に座り、連客は 誕生日を確認しながら 早く生まれた順に末客まで座ります。
掛物 瀑布図 山田介堂画
花 秋海棠・桔梗・糸薄
自在 猿
茶室には その日のテーマを語る軸と、 季節を告げる花、そして風炉釜などがあるのみで、不必要な物は一切存在しません。
茶の湯は 四季の移ろいを大切にし、参会者が そこにとけ込むことを理想とします。
生まれて初めて茶席に座った子どもたちの目に、この光景は どのように映ったでしょう。
気づいてもらえたでしょうか?