久しぶりに催した簡略茶事 月見の会 で、皆様に召し上がっていただいたお菓子 みのり は、お陰様で 大変に好評でした。 何回かに分けて、違う方に お召し上がりいただきましたが、 製造方法は いつも同じ。 

違っていたのは、黒文字だけを添えるか、黒文字と杉の楊枝にするか、はたまた スプーンか、ということぐらいです。

 

何を用いて食べるかによって 食べやすさが格段に違い、 それによって お菓子のお味まで違って感じるのですから 不思議なものです。  茶席菓子としたら、黒文字1本で召し上がれるように仕上げるのが 理想かもしれませんね。 

 

頻繁に お茶席にお菓子を提供する 老舗のお菓子屋さんなら、 お味は勿論 「懐紙にのせても くっつかないか」  「黒文字1本で食べられるか」 などという細部にもこだわって試作を重ね、 ご自身の納得がいったお菓子を納品なさるのでしょう。

 

ところが 素人の私のこだわりは 味と食感のみ。  懐紙とお菓子の相性も、 カトラリー(?)に対するこだわりも 存在しません。  

結果、 アイスクリーム用のスプーンを添えて提供した最終日の評判が最もよく、皆さんから 天にも昇る お褒めの言葉を頂戴しました。

 

 

みのり の作り方

 

材料

★煮あずき    240g(小町の国手づくり工房の製品を使用しました) 

★里芋      2~3個

★栗の甘露煮   2~3個

★粉寒天     4g

★水       400㏄

★グラニュー糖  200g(煮あずきの甘さによって お好みの甘さに増減してください)

 

作り方

1、里芋の皮をむいて、塩でもんだあと 5分下茹でする

2、下茹でした里芋を 8㎜角に切り、牛乳100㏄ に上白糖100gと塩少々(記載外)を加えた 牛乳シロップで煮ふくめる

3、栗の甘露煮も8㎜角に切っておく

4、鍋に粉寒天4g、水400㏄をいれて火にかけ、1~2分沸騰させてからグラニュー糖を加えて煮溶かす

5、別の小さめの鍋に煮あずきをいれ、小豆が隠れる程度に4の寒天液を注いで、かき回しながら一煮立ちさせる

6、水にくぐらせた 5㎝のセラクルをバットに10個並べ、5の煮あずきを均等に入れる(底が平らになるように注意)

7、ペーパータオルで水気を取った里芋と栗を 6の小豆の上に形よく盛る

8、盛り付けた里芋と栗を覆うように、5~60℃にさました4の寒天液を注ぎ入れる

9、常温で2時間程度おき、寒天液がしっかり固まったら冷蔵庫で冷やす

 

9月10日の中秋の名月のころは、まだ新物がなくて、長期保存され 少々かたくなった里芋しか手に入りませんでした。 塩でもみ、水にさらしてから煮ても、納得のいく食感と真っ白な仕上がりを手にすることが出来ませんでしたが、9月も末になって、店先に今年の里芋が並び始めました。  

ようやく 秋の実りに感謝しながら、 お菓子に封じ込められた旬の野菜の美味しさを享受できる季節がやって来ました。  

皆様もどうぞお試しください。