太郎冠者(有楽)

室町時代に中国から輸入されたツバキの原種と、 日本のヤブツバキの交配によって生まれたのではないかと考えられています。  お猪口のような形から、侘助椿の親にあたるといわれており、賀茂本阿弥と並んで 日本の古典椿の代表格です。 


安土桃山時代から江戸時代にかけては、 公家や大名など 上流階級の庭園に植えられて 愛されてきました。  


太郎冠者という名は、 狂言の主役であるシテとして登場することが多く、 椿につけられた名前としては少々奇異な感じがしますが、 庭の主役 というような意味が込められているのかもしれませんね。


織田信長の実弟で 茶人としても有名な織田有楽斎が、 茶花として愛用していたことから、 有楽椿 という別名があります。

 

 

胡蝶侘助

紅色に白斑が入った一重の花が 早春に咲きます。 

金閣寺には、後水尾天皇がお手植えになられた 樹齢300年以上の木があるそうですが、 江戸時代からの古典品種で、 茶花としても 愛されてきました。 

 

太郎冠者と比べると 明らかに小輪ですが、 不思議なことに 蝶が舞うような 可憐な躍動感を感じます。

 

 

 

クリスマスローズ

昨日の雪が残る庭で クリスマスローズの小さな蕾を見つけました。

もう少し丈が伸びないと 切り花になりませんから、 まだ 茶花としては使えませんが、 これからの季節に茶席に飾ろうとすると、 クリスマスローズという名前のままでは興醒め。  

幸い 「寒芍薬」 や 「雪起こし」 という和名があります。