桜を愛する人が多いのは、 閉塞感からの解放を象徴し、優美な姿と 散り際の潔さが 人の心を捉えるからにほかなりません。
お寺や公園に植えられ 人工的に管理された桜も良いものですが、 少し遠くに目を転じて 山の斜面に ポツリポツリ と雲のように浮かぶ 薄い色を探すのも また良いものです。
鶯の たまたま啼くや 花の山 ― 与謝蕪村 ―
降るとまで 人には見せて 花曇 ー 井上井月 ー
田舎暮らしの幸せは それを目がけて出かけなくても 花なら いくらでも身近にあるということ。
当たり前のように傍らにある花であっても、 その美しさに出会うと心が癒されて 飽きることがありません。
「これぞ 日本」 と思わせてくれる 春の息吹を そこここに感じて、 心の贅沢を満喫しています。