茨城県では 2月23日の午前0時をもって、 県独自の緊急事態宣言が解除されました。  5日間の前倒しです。


1都3県に比べると 感染者数は けた違いに少なく、 殊更騒ぎ立てなければならない数字には見えませんでしたが、人口10万人当たりの医師の数も少なくて 全国ワースト2 ( 因みに 全国魅力度ランキングでも 茨城県はワースト2 )。  

提供できる医療は脆弱で 常に不安がつきまといます。 

 

県の緊急事態宣言発令中は、自粛に疲れた方々から  ご不満の声が聞かれましたけれども、  病床や医療スタッフの遣り繰りは大変だったと推察しています。  

滅多にない緊急事態に備えて、 一定数の医療スタッフと病床を 遊ばせた状態のまま確保しておくわけにもいかず。  結局のところは、今 どこかの医療機関で働いているスタッフを遣り繰りする以外 術がありません。 

 

 

私事ですが、 解除の日 兄が脳梗塞で救急搬送されました。   コロナ禍のことで、 搬送先の病院を探すだけでも大変ではないかと心配しましたが、 幸いなことに 苛立つほどには待たされず、 順調に入院治療を開始することが出来ました。  でも退院するその日まで、 家族が面会に行くことは出来ません。 


病んで 身も心も弱っている時に、 家族の支えもなく  たった一人で病気と闘わなければならない人たちのことを思うと、 暗澹たる気持ちになります。   その中には 幼い子供たちも 死期が迫った方々もいることでしょう。

 

コロナに関しては 「騒ぎ過ぎ」という声、 「死ぬのは80、90の年寄りばかりで それは寿命だ」という声など色々あります。  

コロナだけを考えれば そういうことになるかもしれませんが、 この世の病気は コロナだけではありません。

 

昔読んだ ある末期癌の患者さん(32歳の青年医師)の手記に 「患者にとっての幸せは、患っている病気が治療をすれば必ず治る病気であること。   経済的な心配をせずに治療に専念出来ること。  そして何より 心配してくれる人が傍らにいてくれること。」 という内容の文がありました。

  

今は核家族化が進み、 病人は入院加療、 老人は施設入居、 というケースが ほとんどです。 

子供たちが 成長する過程で  「生きたい」 と強く願って 病と壮絶な闘いをする人の姿を見る機会も、 人が老いていく姿を 段階を追って見ていく機会も失われました。  換言すれば、 生き死には 視界から消えてしまいました。

家族全員が健康に恵まれ、 幸せな家庭で育っていればいるほど、 病気や老いに対する想像力が欠落しているかもしれません。

 

弱っている者が集まる場所にウィルスが入り込めば 蔓延することは必定。  

 

緊急事態宣言が解除されても 慎重な行動が求められ、 不自由が残ることは否めません。 が、これまで 弱者のために犠牲になってくださっていた方々のためには、 前倒しで解除ができて 本当によかったですビックリマーク