七夕をテーマに このような室礼で遊んでみました。
軸は 書家であり 茶道の造詣も深い 友人の手による物です。
「軽やかに 遊ぼう」 ということで、 墨で描かれた笹に 所々小さな穴を開け、 そこに 紙縒で短冊が差し込めるようになっています。
当然、短冊は風の流れに乗って揺れ、 それとともに 涼風にそよぐ 笹の音色が聞こえてくるようです。
「軸に穴をあけて 短冊を下げられるようにしたらどうかな~?」 という 友人の提案に 「ハッ? そんなことしていいの?」 と驚いた私。
「作者 と 所有者 の 意見が一致すれば 何をしても OK でしょ!」 と 少し太めの針を手渡されました。 受け取ってはみたものの、私には 最後まで軸に穴を開ける勇気が出ず、 3カ所の小さな穴は 作者自身が開けました。
平面上に 色絵の七夕飾りが描かれた 軸なら いくらでも見かけますが、 これは おそらく 本邦初。
この軸を初めてご覧になるお客様は、 必ず 「エッ?」 と 小さな 驚嘆の声をもらします。
その声を 別室で聞いて 「してやったり!」 と思う私の 心の内を ご想像下さい。
右下の 余白に 「 待つ宵に 更けゆく鐘の声聞けば あかぬ別れの 鳥はものかは 」 と *小侍従 の 歌が添えられています。
今年、 牽牛 と 織女は 会うことが できたのでしょうか。
*小侍従・・・平安時代末期の女流歌人
女房三十六歌仙の一人 紀光清の女
二条天皇 ・ 高倉天皇に仕えた
「待つ宵の・・・・・」 は 評判となり、 「待宵の小侍従」 という 異名がある
菓子・・・「 星合 」
社中の 人の手作り・・・プロ顔負けの職人技
楽知会は、 集う仲間の 知恵と技術と熱意によって 楽しみの幅を広げています