初風炉のころ

 

毎年 初風炉の時期になると この水指を出して 薫風を感じています

有田の職人さんが 食パン1斤をしまっておくために焼いた四角い器に 塗り蓋を誂えました

 

紋様はセーヌ川???    ヨーロッパのどこかの都市を背景に ボートで川遊びを楽しむ人たちや  畔を散歩する人々が描かれています

日常の雑器でも見立てで このように楽しめるのが お茶の面白いところです

また 長板に菱形になるように置くことで、 いつもとは違う形の蓋を扱う勉強にも一役かっています

 

 

花入・・・富士篭

花・・・・梅花うつぎ:千日草

 

 

6月のお稽古

 

・・・応無所住而生其心(おうむしょじゅうにしょうごしん・・・まさに住する所なくして、 しこうして その心を生ずべし)

「心は自由自在に働きながら とどまるところがない」ということなのだそうです。

楽しいことがあっても、苦しいことがあっても、其れにとらわれることなく、引きずることもなく、無碍自在の心の働きがあらわれる  という意味

心が何かにとらわれると苦しみが生じます   

何ものにもとらわれない 心の働きを獲得し それを維持することができたら、人生を軽快に過ごしていくことができそうですね

 

軸から学ぶ禅語には、苦しい時には気持ちを楽にしてもらい、嬉しくて舞い上がっている時や 調子にのって浮かれている時には 随分諫められてきました 

 

 

桑子卓・蓮紋水指

       

 

例年ですと 風のせいで 軸先が大平にあたって コトコト音をたてるような日は、窓を閉めてエアコンを使用しています

今年は コロナの影響で 換気・換気 と うるさく いわれるため、それとは逆に 風を呼び込んで コトコトいう音を楽しんでいます 

風に揺れる軸、 なかでも忙しく動く風帯を見ながら、改めて 「なるほどね・・・」 と納得

 

本来 風帯の働きは、家の中を飛び交う鳥を追い払い 糞害から 本紙を守ることだったとか

広い開口部から飛び込んできた 2~3羽の夏燕が、家の中で追いかけっこしながら 軸近くを高速で通り過ぎていく姿を想像してしまいました

 

我が家では 幸か不幸か 網戸が邪魔をして 鳥が飛び込んでくることはありません