蛾と蝶は似たような姿をしておきながら、蛾は陰気で毒々しい
印象を与えるのに対し、蝶は優美で鮮やか。
両方とも分類上は鱗翅目に属している兄弟のような関係なのに、
何故、こんなにも正反対な印象を与えるのでしょうか?
この2種類、実は蝶が人間なら、蛾は猿といった関係のようです。
つまり、蛾は蝶の祖先にあたるのです。
蛾はほとんどが夜行性ですが、蝶は昼に行動します。この
行動時間の違いが、見た目を変えたと言われています。
大昔、蛾が属する鱗翅目はすべて夜行性で、蝶のように
昼に行動するものはいませんでした。
しかしあるとき、一部の蛾が昼間に行動するようになりました。
その蛾こそ、蝶の祖先になったものです。
その蝶の祖先は、体にも変化が起こりました。
蛾の特徴である大きな触角は、そもそも夜の闇を飛ぶために必要だったのですが、
昼間の光の中では、それも必要なくなり、退化していきました。
また、羽の色も、花の蜜を求めて飛び回るための保護色として、
鮮やかな色になったとされています。
昼行性と夜行性でこうも変わるものなんですね。