●読者を洗脳する月刊誌『正論』9月号と「国家基本問題研究所」の8月10日付新聞意見広告

 

 (1)『正論』9月号を8月10日に入手した。予想どうり「安倍晋三の遺志を継げ」という特集が組まれていた。各筆者の表現に驚いた。政治的論考の中からいくつかを引用してみよう。

 

 「まかれた種を次の世代につなげ」「安倍氏のあまりに巨大で数多い功績」「安倍氏がもういない日本は確かに不安だらけである。世界のリーダー的存在だった安倍氏自身が、中国やロシアに日本に手を出させない『抑止力』だった」(産経新聞政治部編集委員兼論説委員・阿比留瑠比氏)。「時代を先取りした不世出の指導者」「『戦後レジームからの脱却』をいち早く唱え、原点である憲法の改正を主張した政治家の筆頭は安倍さんだった」「安倍さんは国際政治家として完全に成熟した政治感覚を持っておられたと思う」「安倍さんが準備し、志した方向にどうやら世界は動き始めた」(国家基本問題研究所副理事長・田久保忠衛氏)。

 

 「平成から令和への皇位継承は、安倍内閣の偉業の一つとして特筆すべきことではなかろうか」「安倍元総理は」「譲位特別法を成立させて、特例として譲位を実行することとした」「安倍元総理の強い尊皇の気概があってこそ実現できたものといえる」(旧皇族の作家・竹田恒泰氏)。「第二次(安倍)政権では天皇陛下が退位のご意向を示され、政府は対応に苦慮した」「結局、政府は一代限りの例外として退位を実現した」「ふと思う。安倍氏は天が遣わした救世主だったのかも知れない」「世界からも求められるリーダーとなった」「安倍氏の魂は必ず復活するだろう。少なくとも多くの人の心に『日本再生』の火を付けた。その火は燃え続けるだろう」(麗澤大学教授・八木秀次氏)。

 

 「これまで私は世界の中での日本という国を考えるときに、決して誇張ではなく、安倍晋三氏が国政の場にいる限り、日本の奈落はないだろうと、何となく意識してきた」「日本にとっての安全弁のようなその安倍氏が無残に殺されてしまった」「思えば近年の日本は安倍晋三氏の貢献で民主主義を成熟させ、主権国家としての自主性を確立し、日本のよき伝統や文化を復活させ、国際的な存在感を強めた、と私は実感する」(産経新聞ワシントン駐在客員特派員・麗澤大学特別教授・古森義久氏)。

 

 「非業の死を遂げた政治家に対する追悼は、その政治的偉業を正確に評価することであるはずだ」「日本再建に尽くした安倍首相」「特定秘密保護法や平和安全法制などを整備し、外交・安全保障とインテリジェンスの機能を強化した」「国家安全保障会議(NSC)を創設して国家安全保障戦略を策定し(た)」「安倍さんはノーブレス・オブリージュ、権力を与えられている以上、それに見合う義務を果たさなければならないと考えている政治家なんだと、目の覚めるような思いでその顔を見つめ直したことを今も思い出す」「日本の安全保障政策や戦略策定の仕組みを根本から変えたのが安倍さんだった」(評論家・江崎道朗氏)。

 

 「安心感失った後の外交・安保政策を憂う」「安倍晋三元総理が参議院選挙遊説中、凶弾に倒れた。日本だけでなく、世界にとっても大きな損失である」「安倍氏がいる限り、日本の外交・安保政策はそんなに間違った方向にはいかないだろうという安心感があった」「こうした戦後最大の危機ともいえる情勢下で、外交・安全保障の羅針盤たる安倍氏を失ったことは痛恨の痛手である」「これまで誰よりも平和を願い、日本の安全と繁栄、そして美しい日本の実現に一命を賭して取り組んでこられたのが安倍元総理である。彼の尊い遺志を継いこうではないか」(元空将・麗澤大学客員教授・織田邦夫氏)。

 

 (2)8月10日付読売新聞に、「岸田首相よ、安倍晋三の遺志を継げ」と題した「国家基本問題研究所」(理事長・櫻井よしこ氏、副理事長・田久保忠衛氏、そしてこれに賛同した47人の研究員の氏名)の意見広告が載った。抜粋する。

 

 「安倍晋三元首相が亡くなったあとの日本はぽっかりと大きな穴があいています。岸田文雄首相に安倍さんの遺志を継いで前進するとの気概が感じられないからです」「安倍さんは『戦後レジーム』からの脱却を堂々と唱え、支持率を大幅に下げながらも平和安全法制を実現しました」「最終目標が戦後レジームの元凶である憲法改正にあったのは言うまでもありません」「岸田首相は安倍さんの唱えた戦後レジームからの脱却をいまこそ実現し、大きな穴を埋めるべきです。新時代に沿った安倍路線の実現を求めます」。

 

 (3)これが今の“保守”の論壇である。「戦後レジームからの脱却」をスローガンにしたものがメインである。つまり反米民族派が大きな勢力を形成している。故安倍元首相は、拙文(8月19日アップ)で述べたように、反日共産主義者であるが、反日民族派や保守派に偽装して彼らを騙し利用して総裁・総理という最高権力を握り、これに成功すると、中露の尖兵として反日政策を実行してきた人物である。しかし、人々は騙され利用されてきたことを認識できない。それは、安倍元首相を日本の国家安全保障政策をズタズタに解体してきた人物、反日政策を推進してきた人物だ、と認識しできていないということである。

 

 今回の『正論』9月号や新聞意見広告を読んだ人は、安倍賛美ばかりで異見や批判の論考はないから、「安倍元首相支持」の方向で一層洗脳されていく。それを狙って発表されたものである。左翼の論壇だけでなく、“保守”論談も全体主義の日本だ。私のような安倍元首相を徹底的に批判・非難する保守の側からの主張は、無視(否定)されてしまう。安倍元首相の反日政策は隠され、だから打破されることなく継続していくことになる。岸田政権へも押し付けられようとするだろう。私たちはこうしたことを絶対に許してはならない。一人ひとりが勇気を出して批判の声を上げていかなくてはならないのだ。前の論考(8・19アップ)続いて書いていきたい。

 

●事実をちゃんと見て科学的・合理的に分析することが何よりも求められている。安倍元首相の正体と反国防・反日の「国家安全保障戦略」(2013年12月)

 

 (1)日本を軍事侵略し支配しようとしている侵略国家はどの国か。言うまでもない。ロシアと中国だ。ロシアは既に日本の北方の領土を不法に侵略占領中である。スターリンは日ソ中立条約を破って日本に侵略して、北海道全島を奪う意思を持っていた。阻止したのが米国であった。中国・ロシア・北朝鮮は同盟国である。中国とロシアが日本を軍事侵略するとき、北朝鮮もそこに加わることになる。3国は核ミサイルを保有している。私たちが日本の安全、独立・存続を守り抜いていくためには、3国を敵国と明確に規定しなくてはならない。まず意識において、3国を日本侵略を狙っている国だと認識することが、国防の第一歩だからだ。日本の首相は憲法の命ずるところにより、中露北を敵国と規定し、国民の国防意識を強化し、軍備を整えていかなくてはならない。「平和を守る」とはこういうことだ。日米同盟の堅持は言うまでもない。

 

 自衛権を完全に行使するには軍隊の保持が必要だが、GHQの作った憲法9条案は自衛権行使の軍隊の保持を認めたものだ。1946年8月の「芦田修正」もそういうものだ。日本の安全、独立・存続を守る憲法上の義務を負う首相は、1952年11月以降の「憲法9条の反日解釈(憲法98条1項によって違憲で無効である解釈)」を、閣議決定で「違憲・無効」として、本来の憲法9条を支持して国防軍を保持し、自衛隊を軍隊にしなくてはならない。日本はわずか一日で軍隊を持てる!軍隊なくして平和は守れない。安倍首相はこれを断固拒絶した人物である。

 

 (2)安倍元首相は第一次安倍政権のとき、同盟国米国を後回しにして共産中国に飛んで、「日中の戦略的互恵関係の構築・発展」を謳う「共同声明」に署名した(2006年10月8日)。安倍元首相は第二次安倍政権(2012年12月26日発足)でも、2013年2月22日のワシントンでのオバマ大統領との日米首脳会談で、「日中関係は最も主要な2国間関係の一つであり、個々の対立があっても戦略的互恵の観点からウインウインの関係を構築したい」と語っている。その日の夕方、ワシントンの「戦略問題国際研究所」で安倍氏は政策演説を行い、「私は中国との対立をエスカレートしようとは露ほども思っていない。日中関係は日本が持つ最も重要な間柄の一つだ。かつて私が命名した『戦略的互恵関係』の追求に手を休めたことはない。私の側のドアは、中国指導者のため、常に開いている」と述べたのだ(同年2月24日付読売新聞)。中国海警局の公船はこの日も尖閣諸島の日本領海を侵犯していた。

 

 安倍首相は2013年4月29日、モスクワでプーチンと日露首脳会談を行い、「日露の戦略的パートナーシップの構築が重要」で一致している。「共同声明」には日露の外務・防衛閣僚会議の設置も、日本がロシア極東・東シベリアにおける経済・インフラ建設に協力することも盛り込まれた。

 

 (3)上記の安倍元首相の対中政策、対露政策は前記(1)の正反対のものだ。日本の首相が行うものではない。中露の「尖兵たる者」が行うものと同じだ。日本の対中国防、対露国防はズタズタにされていく。この政策はまさしく反日政策(反日外交)だ。日本共産党や社民党や当時の民主党(の多くの)という反日共産主義勢力が推進する政策だ。反日左翼がやりたくても最高権力を持っていないためにできない政策を、正体を偽装した安倍元首相が実行していったのである。だから反日左翼は反対などしなかった。支持だ。

 

 保守派や反米民族派(彼らも保守と称している)は、安倍元首相を糾弾しなければならないのに、しなかった。沈黙した。受容していったのである。何故なのか?それは、安倍元首相が反米民族派や保守派を騙して利用するために彼らの心をつかむ言葉を繰り返して、彼らを「安倍支持者」に洗脳していったからだ。「戦後レジームからの脱却」「日本を取り戻す」「憲法9条を改正して国防軍を保持する」「国民の生命・財産と領土・領海・領空は断固として守り抜いていく」「尖閣諸島は政策を見直して実効支配を強化する。公務員を常駐させる」等々だ。だから彼らは安倍氏をリーダーと信じて、自民党総裁にし、首相にしていったのである。

 

 安倍元首相の前記(2)の対中、対露政策に疑問や批判を持った安倍支持者は多くいたはずだ。もし民主党政権がやったのであれば、彼らは「反日政策だ!」と糾弾したはずだ。だがやったのは安倍氏だ。彼らは安倍氏が正体を隠して偽装して活動しているとは思わないから(安倍氏はこの能力が極めて高い)、総理、総裁たる安倍氏の権威と権力の前に、また安倍断固支持の雑誌編集部の前に、もちろん安倍首相を支持する多くの一般大衆の存在の前に、自らの疑問や批判を抑え込んで、(2)の政策を受け入れていったのだ。「安倍支持者」でありつづけた。人間は自分の心が思想的・理論的に不安定な状態に置かれ続けることを、早く解消したいと思うものである。すなわち、彼らは疑問や批判に思う部分についてはもう考えないようにしたのである。思考停止だ。不都合な事実は見ないようにした。そして受容した。そして、肝心な部分で思考を停止すれば、それ以外の部分についても科学的・合理的・論理的な思考はできなくなる。洗脳状態である。またもし、その人が安倍首相への疑問・批判を公にすれば、仲間から逆に非難されて排除されるだろう。日本はそういう社会である。昇進はなくなる。雑誌には書けなくなる。だから、彼らが安倍首相を支持しつづけたのは保身からでもあるのだ。

 

 安倍氏は、うまく騙して支持者にしてしまえば、反日政策を実行しても彼らは反対しなくなる、と考えていたのだ。安倍氏は日本人が権力者や権威に極めて弱く自律なき集団だとよく分かっていて、長期計画をもって事を進めていったと私は考えている。

 

 (4)安倍首相は前述した既成事実の上に、2013年12月14日に「国家安全保障会議(NSC)」を設置し、12月17日に「国家安全保障戦略」をNSCで決定し、同日閣議決定していった。ここにはとんでもない反国防の反日政策が書き込まれたのだ。安倍氏が狙ったものだ。安倍氏は「国家安全保障の基本理念」で、「我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩んできた。専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持してきた」と書いた。

 

 安倍氏は中国に関して、「我が国と中国との安定的な関係は、アジア太平洋地域の平和と安定に不可欠の要素である。大局的かつ中長期的見地から、政治・経済・金融・安全保障・文化・人的交流等あらゆる分野において日中で『戦略的互恵関係』を構築し、それを強化できるように取り組んでいく」「また、中国が、我が国を含む周辺諸国との間で、独自の主張に基づき、力による現状変更の試みとみられる対応を示していることについては、我が国としては、事態をエスカレートさせることなく、中国側に自制を求めつつ、引き続き冷静にかつ毅然として対応していく」とした。

 

 「憲法9条2項の反日解釈(=日本は自衛のためでも軍隊を保持できない)を守ることが、「国家安全保障の基本理念」の土台にある。しかし日本が軍隊を持ち、敵国が日本を侵略する場合には、その国の領土の戦略的要所は日本からの反撃攻撃によって耐えがたい損害を被ることになる。日本の攻撃には核ミサイルも含まれる。このような、敵(中露北)が脅威に思う日本の軍事戦略と軍事力でなければ、抑止は不可能だ。これは、軍隊を持ち自衛権を十全に行使できることで、はじめて可能になる。反日の憲法9条解釈を守って、軍隊を保持しない、従って専守防衛をするしかない日本では、侵略を抑止することはできない。安倍元首相の国家安全保障戦略は反国防戦略、反日政策なのだ。

 

 前記の中国に関する記述は、中国の尖兵としての安倍元首相が、防衛省・自衛隊幹部の主張を抑え込んだものである。これではなんにもできない。ロシアに関する記述はこうである。「東アジア地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、安全保障及びエネルギー分野を始めあらゆる分野でロシアとの協力を進め、日露関係を全体として高めていくことは、我が国の安全保障を確保する上で極めて重要である」。ロシアの尖兵たる安倍元首相の狙いどうりの記述だ。中国をけん制するために日露は同盟国並みに連帯していくとのだとの騙しの記述である。

 

 だが中露は同盟関係にある! 習近平も2013年3月22日、最初の外国訪問国としてロシアのモスクワを訪れてプーチンと首脳会談をしている。「共同声明」を発表した。読売新聞は「米国のオバマ政権のアジア太平洋重視政策に、中露で連携して対抗する姿勢を色濃く反映した会議となった」(3月23日付)と報じていた。「共同声明」には「『核心的な利益』に関わる問題では、相互の立場を支持する」と明記した。すなわち、台湾、尖閣諸島・東シナ海、南シナ海、北方領土などの領土問題のことだ。「軍の連携を強化」することでも一致した。そして、中露海軍は合同軍事演習「海上連合2013」を、7月5日から7月12日までウラジオストク沖の日本海で実施している。中国海軍5隻。ロシア海軍16隻で双方で4000人以上の将兵が参加したものだ。

 

 日本侵略・支配を国家目標にしている中国・ロシアを、上述したように言う国家安全保障戦略は、反国防の「戦略」である。従って、本来の憲法9条や憲法前文に違反しているから、憲法98条1項によって無効にされねばならないものだ。これまで書いてきたことも、当時繰り返して『大森勝久評論集』(ホームページ。サービス終了で現在は閲覧できない)に書いたことだ。しかし無視であった。保守派言論人はこの国家安全保障戦略を策定した安倍元首相を高く評価し続けているのである。

 

●安倍元首相の親露、親中の反日売国政策と反天皇制策動

 

 (1)事実をちゃんと見て、批判精神を持って科学的・合理的に分析しなくてはならない。安倍氏は2014年2月7日のロシアのソチ冬季オリンピック開会式に、G7首脳では唯一出席した。西側先進国の首脳はプーチン独裁侵略政権に抗議してボイコットしたのだ。安倍首相は習近平や北朝鮮の金永南、ベラルーシのルカシェンコら独裁者と並んで開会式に参加した。安倍氏は2月8日にプーチンと首脳会談を行った。帰国した首相は10日の衆議院予算委員会で、「非常に和やかな雰囲気の中でプーチン大統領との個人的な信頼関係を一層強化することができました」と述べている(10日付夕刊)。だが、プーチンはすぐ後にウクライナを軍事侵略し、3月2日にはクリミア半島全域を支配下に置いた。しかし安倍氏は侵略を糾弾しないばかりか、5日に「3月7日に開幕するソチ・パラリンピックに政府関係者を出席させることを検討している」と述べたのである。これも反国防・反日の「国家安全保障戦略」(2013年12月)に基づいた行動である。以下も然り。

 

 ロシアは3月18日にはクリミアをロシアに編入した。欧米は金融制裁や資産凍結や入国禁止の制裁を直ちに実施していたが、安倍首相はしなかった。プーチンは側近のナルイシキン下院議長を、「日露文化交流イベント」のため日本へ送り込んだ。欧米が入国禁止にしている人物である。しかし安倍首相は入国を認めて歓迎したのだ。安倍首相はイベント開会式に世耕官房副長官を派遣して、彼に自分の祝辞を代読させた。G8サミットが6月4日・5日にブリュッセルで開催されたが安倍首相はプーチンの代理人の如く「ロシアを孤立させるべきではない。ロシアとの対話継続」を主張したのだ。サミットは侵略の罪でロシアを追放したのだ(G8はG7になった)。

 

 (2)中露は2014年5月20日から5月26日まで、東シナ海とその上空で両国海軍の合同軍事演習を実施した。プーチンと習近平は演習開幕式にそろって出席し、20日に首脳会談をした。「共同声明」は「両国間の包括的パートナーシップと戦略的協力関係を新たな段階に引き上げた」と謳った。ロシアは8月12日から16日にかけて、日本の北方領土の国後島、択捉島で1000人規模の軍事演習をした。ロシアは9月11日から18日まで、東部軍管区で軍の即応体制をチェックする演習を行い、続いて19日からロシア軍は東部軍管区で「ボストーク2014」の軍事演習を開始した。陸海空軍兵士10万人以上、戦車1500台、戦闘機120機、約70隻の艦艇が参加した。「ボストーク」は「東」である。すなわち北海道、東北地方、新潟県を侵略するための軍事演習だ。日米を対象にしたものだ。

 

 「ボストーク2014」演習中の9月21日は安倍首相の60歳の誕生日に当る。プーチンは「誕生日のお祝いがしたい」とこの日の電話会議を申し入れていた。だが安倍首相は拒絶することなく、両者は約10分間も会談したのだ。プーチンは誕生日の祝意を述べ、露日平和条約の締結と露日の経済協力を進めたいと述べた。露日首脳会談にも意欲を示した。この時、安倍首相は「ウラジミール(プーチン)との個人的友情は全く変わりがない」と述べている。日露首脳会談については、11月の北京におけるAPECの際に行いたいと提案している。「ロシアの尖兵」の姿がありありと見える。米国オバマ大統領らG7首脳は、安倍氏とプーチンとの関係に深い不信感を持っており、日本に対してロシアに対して実効性ある制裁を科すことを求め、プーチンの訪日と日露首脳会談に反対する旨を伝えている。

 

 (3)安倍首相は2014年10月20日、国連総会第一委員会の「核兵器不使用」の「共同声明」に岸田外相をして賛同署名させた。前年10月に続く賛同署名だ。これは、同盟国米国による核拡大抑止力を否定するものであり、反日反米政策である。中露北を利するものだ。民主党政権は署名してこなかったから、安倍政権は反日共産主義者の安倍首相(保守に偽装している)の支配によって、反日左翼の民主党政権よりも、反日左翼度が強いことがよく分る。これも反国防・反日の「国家安全保障戦略」に基づいた政策だ。

 

 (4)安倍首相は2014年11月7日に側近の谷内正太郎国家安全保障局長を北京に派遣して、「日中関係の改善に向けた話し合いについて」という合意文(「11.7日中合意文」)をまとめさせた。その核心は、「双方は、尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて、異なる見解を有してると認識し、対話と協議を通じて、情勢の悪化を防ぐとともに云々」となっている部分(第3項)だ。これによって、安倍首相は「尖閣諸島の領有権」に関する日本側の見解と中国側の見解を「同等」「対等」に扱ったのだ。すなわち、親中・反日の安倍氏は日本の固有の領土尖閣諸島を中共に売り渡したのである。彼は初めから尖閣諸島を守る意思を持っていない。だから、実効支配することも拒んできたのだ。陸上自衛隊部隊を常駐させないし、海上自衛隊に、尖閣諸島領海を侵犯する「海警局」公船を実力排除させることも拒んできた。これも「国家安全保障戦略」の実践である。

 

 安倍首相は11月10日に北京で習近平と首脳会談を行い、「中国の平和的発展は国際社会と日本にとって好機だ。世界第2、第3の経済大国として協力し、地域と国際社会の平和と繁栄に向けた責任を果たしていきたい」と語った。日本(尖閣諸島)の領海・領空を国際法に違反して侵害している中国、台湾を軍事力を用いて併合すると繰り返している中国の現実を否定して、「中国の平和的発展」と強弁して国民を騙し、投資・貿易で中国を更に強国化していこうとする、「中国の尖兵」としての発言である。安倍首相は翌日11日の内外記者会見では、「日本と中国は互いが互いを必要としている。いわば、切っても切れない関係であります」「地域と国際社会の平和と安定に責任を持つ日中両国」と発言している。独裁侵略国家中国の立場に立った発言だ。「平和と安定に責任を持つ」は、侵略国家と反日左翼(安倍首相)が駆使する「反対語法」「転倒語法」である。正しい意味は中国は将来、ロシアと共同して日本を侵略して支配するということである。だから「切っても切れない関係」である。これが中露の尖兵である反日共産主義者の安倍氏の本心である。

 

 私たちは事実をしっかり見なくてはならない。そして批判精神を強く持って科学的・合理的に分析しなくてはならない。国民を騙す言葉にひっかかってはならない。

 

 (5)プーチンは大規模な軍事演習「ボストーク2018」を中国と合同で実施した。2018年9月11日から9月17日の日程でオホーツク海、日本海、そしてロシア極東地方で実施された。ロシア軍は陸海空軍将兵30万人が参加し、軍用機1000機、戦車や装甲車を含む車両3万6000台、艦艇約80隻を投入した。中国軍も兵士3200人、装甲車1000台、軍用機30機を投入した。プーチンと習近平は9月11日、ウラジオストクで首脳会談を行っている。プーチンは「ロシアと中国は、政治面、安全保障、国防面で信頼関係にある」と述べた。習近平は「国際情勢がどのように変化しても、交流を強化したい」と語り、2人は共同記者会見で「中露は大国関係の模範となった」と自賛した。9月11日の新華社通信は、「中露の戦略的な相互信頼と軍事協力のレベルが、歴史的な高みに達したことを示した」と述べた。言うまでもなく「ボストーク2018」は日本侵略の軍事演習で、日米を対象にしたものだ。

 

 (6)安倍元首相のこれに対する対応はどうであったのか?安倍首相は2018年10月26日に訪中して、習近平と首脳会談を行い、「競争から協調へ、日中関係を新しい時代へ押し上げていきたい」と表明したのだ。日中は「安全保障分野や経済分野で日中関係を『競争から協調へ』と新たな段階に発展させること」で一致したのである。「第3国での日中企業によるインフラ整備など経済協力を推進する」のだ。すなわち、中国の「一帯一路」への協力参加だ(10月27日付読売新聞)。

 

 米国は2017年12月に「新国家安全保障戦略」、2018年2月に「新国家防衛戦略」を策定した。「中国とロシアとの長期的な『戦略的競争』が国防総省の最優先事項だ」(後者)とするものだ。2018年10月4日、ペンス副大統領は講演で、「中国は米国を太平洋から追い出し、米国が同盟国の援助を受けることを阻止しようとしている。しかし彼は失敗する」と中国を厳しく批判した。そのすぐ後に、安倍元首相は北京へ向い、前記のような「日中共同声明」に署名したのだ。安倍首相が中国の尖兵として、「親中・反米」の政策を実行したのは明白だ。「親中露・反米政策」だ。だから「親中露・反日反米政策」である。これに関しては米国の言論界から厳しい安倍批判が出されていた。しかも、もちろん日本の反日反米左翼は大歓迎である。だが当時も保守層の「安倍支持者たち」は批判しなかった。できなかった。

 

 安倍首相は2019年10月4日の「所信表明演説」で、「日中新時代を切り拓きます。来年の桜の咲く頃に、習近平(シー・ジンピン)国家主席を国賓としてお迎えし、首脳間の往来だけでなく、経済交流、青少年交流など、あらゆるレベルでの交流を拡大し、日中関係を新たな段階へ押し上げてまいります」と述べた。「日中協調の新時代」(2018年10月26日の日中共同声明)の更なる実行である。安倍首相(中国の尖兵)によって日本は中国の従属国になってしまっているのだ。少し前に戻るが、安倍首相は2018年10月11日、官邸で中国共産党の宋中央対外連絡部長と会議し、両国関係の強化で一致し、首相は「政党間交流が重要との認識を示した」のである(10月12日付読売新聞)。そして2018年10月12日、自民党、公明党両党と中国共産党幹部による「日中与党交流協議会」が都内で会合をもった。安倍氏は自民党を改造して「中国共産党日本地区支部」にしようとしていたのだ。

 

 (7)安倍元首相は2018年11月14日、シンガポールでの日露首脳会談でプーチンに、「1956年の日ソ共同宣言を基礎として、領土問題と日露平和条約交渉を行おう」と提案したのである。安倍氏はこれにより、択捉島と国後島(2島で4島の93%の面積を占める)をロシアに献上したのだ。色丹島、歯舞諸島も献上したも同然である。安倍首相は2019年版外交青書から4島が「日本に帰属する」「日本の主権が存する」「日本固有の領土」「ロシアが不法占拠」の記述を削除させたのである。

 

 安倍元首相は2016年5月と12月のプーチンとの首脳会談で、ロシア極東地方と東シベリア地方の経済建設(エネルギー開発を含む)と(軍事)インフラ建設に3000億円を投じて支援することを合意した。安倍首相は北方領土でも「共同経済活動」を行うことで合意した(2018年11月14日)。すなわち北方領土の経済と(軍事)インフラを強化するのだ!誰が見ても分るように、安倍元首相は「反日売国奴」だ。彼はロシア経済と(軍事)インフラを強化する経済協力を行うことで、ロシアの日本侵略能力を強化しているのである。「日露平和条約交渉」とは、日本の対ロ警戒感を解体して、対露国防を解体することが狙いである。安倍元首相は反日共産主義者であり、ロシアの尖兵である。また中国の尖兵だ。中露は同盟関係にある。しかし、保守層の「安倍支持者たち」は沈黙し、非難することはなかった。

 

 (8)2015年9月19日に成立した「平和安全法制整備法」に関しても批判しておく。安倍元首相を賛美する保守言論人は、「平和安全法制」を安倍氏の「偉大な功績」とする。だが、これまでの論述で明白であるように、安倍元首相は親中親露の反日売国政策を推進してきた人物である。平和安保法制が中露を対象にしたものではないことは明らかだ。法案審議中に安倍氏は台湾有事を一度も口にしていない。台湾有事は即、日本有事である。本来は対中、対露の国家安全保障戦略、国防戦略を抜本的に再構築していくべきなのに、それは2013年12月の安倍首相が作った反国防・反日の「国家安全保障戦略」で不可能である(同戦略は10年間有効とされていた)。中国は尖閣諸島だけはなく、西日本全体の侵略支配を狙うが(東日本はロシアが侵略支配を狙う。共同して侵略する。その時北朝鮮も参加する)、日本においては、そんなことは全くささやかれることすらなかった。ロシアに至っては、「ロ」の字すら出なかった。中露は大量の核ミサイルを日本に照準しているのだ。北朝鮮も基数は少なくなるが、そうである。

 

 日本に今喫緊に求められていることは、国防軍を保持して中露北の対日軍事侵略を抑止できる軍事戦略・軍事態勢(戦力)を構築していくことである。それは日米共同のものになる。2節目の(1)(4)で述べた。国防軍は閣議決定ひとつでわずか一日で保持できる(2節(1)項)。安倍首相の私的諮問機関の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」は、2014年5月15日、最終報告書を提出して、閣議決定で「芦田修正論」を支持して国防軍を保持することを提起した。だが、安倍氏は15日当日の記者会見で「芦田修正論は採用しない!」と拒絶したのだ。安倍氏の自論の「国防軍を保持して普通の国家にする。戦後レジームからの脱却」が、反米民族派(反米保守派)や保守派(親米保守派)を騙して利用するだけの「嘘スローガン」であることが、これによって証明された。安倍氏は反日左翼であり、反米民族派や保守派の仮面を被って活動してきたのだ。日本に軍隊を持たせず、日本を国防不能な国のままにして、中露北に日本を侵略させることが彼の目標である。

 

 反日共産主義者たち(反日左翼)の最高指導部は、当然にも安倍首相の正体を理解している。中露の独裁者たちが安倍氏の正体を分っているようにだ。しかし、日本の反日左翼の指導者たちは平党員やシンパには(彼らは安倍氏の正体を理解していない)本当のことは知らせない。「保守のタカ派安倍」として反対・糾弾させてきたのである。そうするのが反日運動にとって有効だからだ。保守に偽装した安倍首相と反日左翼の連携プレイだ。安倍首相を支持する保守派に、「左翼がこんなに嫌ってる安倍首相が反日政策をやるはずがない」と思わせることができる。こうして安倍氏は成功裡に対露、対中の反日売国外交を実行してきた。「平和安全法制」も同様だ。保守派は「左翼がこんなに反対しているのだから、法案は日本にとって有益にちがいない」と思わされてしまう。対中、対露が除外されていることすら、分からなくなってしまった。

 

 ごく部分的に集団的自衛権行使を認めても、日本が中露北の領土の要所に反撃できるようになるのではない!軍隊を保持することが核心なのだ。軍隊を持てば個別的及び集団的自衛権の行使も完全にできる。反日左翼の安倍首相は、「部分的に集団的自衛権の行使を認める」と称して、「自衛権行使の新3要件」を定めたのである(2014年7月1日に閣議決定された「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目ない安全保障法制の整備について」)。すなわち日本に対する武力攻撃では、敵国の武力攻撃が「発生した時」に、日本は武力行使ができると大改悪してしまったのである。従来は、日本に対する「急迫不正の事態」(1972年10月の閣議決定)において、武力行使できたのだ。「急迫」とは「不正の侵害が現に存在しているか、または間近に押し迫っている状態」(最高裁判例)である。つまり、日本は「武力攻撃切迫事態」で武力行使することができた。

 

 安倍首相は2015年6月26日の特別委員会で、「ある国(北朝鮮)が『東京を火の海にする』とミサイル攻撃を準備している状態〔武力攻撃切迫事態―大森〕は、防衛出動は可能になるが、武力攻撃はまだ発生していないから、(日本は)武力行使はできない」と答弁したのだ。北朝鮮が日本を核ミサイルで攻撃する場合、日本はその準備状況を事前に把握できても安倍答弁により、直ちに反撃のミサイルを発射して破壊することはできず、東京等は壊滅してしまうことになるのだ。

 

 中露北の尖兵である安倍元首相が狙ったことは、日本は中露北の軍事侵略を抑止できず、いざ侵略戦争が開始されたら、日本は敗北し、征服されることである。安倍氏は上記のように国民を騙すような言葉(転倒語法)を駆使するが、事実は今書いたものだ。強い批判精神をもって分析しなくてはならない。保守派に正体を偽装した安倍氏は反日左翼との連携プレイで、上記のような平和安全法制を成立させたのだ。私は当時もホームページで糾弾したが、保守派からは黙殺されただけであった。

 

 (9)安倍元首相がトランプ大統領と仲良くしたのは、「似た者同志」だからだ。トランプ氏は「国家安全保障戦略」にも「国家防衛戦略」にも敵対した人物である。彼は米国の敵国の指導者の習近平、プーチン、金正恩という独裁支配者・侵略者が大好きである。例えば2018年9月25日の国連総会の一般演説で、トランプ氏は「私は友人である習近平国家主席に対して大いなる尊敬と親愛の気持ちを持っている」と述べた。トランプ氏は「アメリカ・ファースト」(アメリカ孤立主義)であり、NATOを非難し、NATOからの脱退やNATO解体を主張した。「アメリカに何百万台もの自動車を輸出する日本を守るつもりはない」と日米同盟も無視した。中国を支持して台湾を無視した。民主主義の根幹の大統領選挙の結果を受け入れず、武装した支持者に連邦議会堂を襲撃させて、選挙結果を覆すことを狙った。トランプ氏は反アメリカ的価値観に立脚した人物である。反日・親中露北の安倍氏にとって好ましい大統領であったのだ。日本には今もトランプ前大統領を支持する者が保守言論界にかなりいる。バイデン民主党大統領を非難する反米民族派(反米保守派)がトランプ氏を支持しているのだ。

 

 (10)反日左翼の安倍元首相の反天皇制策動について簡潔に述べる。

 

 今上天皇(令和天皇)は「即位後朝見の儀」のお言葉の最初で、「日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより、ここに皇位を継承しました」と述べられた。日本国憲法2条(皇位の継承)と皇室典範の4条(即位)の「特例法」(譲位特例法)の定めるところにより、平成天皇陛下から譲位されて皇位を継承し、即位しました、と述べられたわけである。

 

 しかし反日左翼の安倍首相は特例法の条文づくりにおいて国会議員や国民を騙して、「譲位」と同じものだとして「退位」の言葉を使うようにさせたのだ。特例法は2017年6月16日に制定された。安倍氏は後日、この「退位」の言葉を利用して天皇制を破壊することを考えていた。退位は「皇位を退く」であり、「皇位を譲って退く」ではない。だから、天皇が退位したら(させられたら)、皇位は皇嗣に継承されず王朝は終焉する。安倍氏は2017年12月8日の「政令」で2019年4月30日に「退位礼正殿の儀」を、5月1日に「即位後朝見の儀」を行うと定めた。安倍首相と菅官房長官は2019年3月19日の記者会見で、「4月30日の『退位礼正殿の儀』のお言葉では、天皇陛下は皇位を退くと述べられて『譲位』の言葉は避けなければなりません」と平成天皇に命じていた。また「新天皇陛下は『即位後朝見の儀』のお言葉では、譲位されて即位したとの文言は使ってはなりません」と命令していた。

 

 反日左翼の安倍氏は皇室典範特例法(法律の中に「譲位特例法」とちゃんとある。国会議員も譲位特例法として可決していた)を、「退位特例法」にでっち上げて、4月30日に平成天皇を退位させる。ここで千数百年続いてきた王朝は終焉するが、5月1日に安倍政権が、皇室典範特例法によって新天皇・令和天皇を即位させることを狙ったのである。反日の安倍首相は憲法2条と皇室典範特例法(譲位特例法)を完全に否定して、時の政治権力が悪法を制定して、恣意的に天皇を退位させ、また新天皇を即位させることができる「先例」を作ろうとしたのである。

 

 しかし、、平成天皇陛下と新天皇陛下の、憲法と皇室典範特例法(譲位特例法) をお守りになられた行動によって安倍氏の反天皇制策動は失敗に終ったのである。関心のある方は2019.4.27アップ文の3節、同年6.7アップ文の4節、同年6.8アップ文の1.2節、同年11.17アップ文を参照してください。

 

 (11)安倍元首相は、ロシア軍15万人がウクライナを北東南から包囲していた時、読売新聞1月1日の「語る。新年展望①」で、「日本は、中露の連携を断つ外交を展望し、日露の関係改善を進めるべきだと思います。(略)岸田政権にもロシアと積極的に交渉してほしいと思います」と語った。これはロシアが極東の軍をウクライナへ派遣することを積極的に援助してやる発言である。中露は強固な同盟関係にあり、連携を断つことなど不可能。そもそも安倍氏自身が「日中協調の新時代」を唱え、日本を中国に売り渡すことをしてきた。ここでの安倍発言も、国民を騙して自らの反日路線を岸田首相にも強制しようと狙ったものである。

 

 安倍元首相は英国のエコノミスト誌(2022年5月26日号)のインタビューを受けて、「ゼレンスキー大統領にNATOに加盟しないと約束させるか、東部の2つの飛び地(ドンバス地方の2つのロシア人多数地区)に高度な自治権を認めさせれば、戦争を回避できたかもしれない。おそらくアメリカの指導者たちならできただろう。しかし、当然ながら(ゼレンスキー氏)は拒否するだろう」と語っている。ロシアがウクライナを軍事侵攻したのは、ゼレンスキー大統領がNATO加盟をはしないと約束せず、東部2州の親ロシア派地区に高度な自治権を認めなかったからだ。またバイデン大統領がそのようにさせなかったからだと、安倍氏は言っているのだ。安倍氏はウクライナ国家の主権を否定する。ロシアは2014年3月からウクライナのクリミアを占領しているし、東部2州のかなりもロシア軍も侵入させて占領しているのだ。そもそもプーチンはウクライナ国民全員の国民意識を解体して、ロシア人に改造しようとしているのである。安倍氏は変わらずプーチン支持、プーチンの尖兵である。

 

 6月4日の京都市の講演では、安倍氏はアメリカがゴルバチョフとの約束を破って〔全くの嘘である―大森〕、NATOをどんどん東方へ拡大していったので、ウクライナにまでNATOが拡大されてしまうのではないかとプーチンは思ってウクライナへ軍事侵攻したのだろうと述べている。安倍氏は「だからといって、あんなことをやっていいわけではない」とは言うが、口先だけの言葉である。本心はプーチンのウクライナへの軍事侵攻を支持しているのだ。北方領土も尖閣諸島もロシア、中国に売り渡してきた人物が中露の尖兵安倍氏である。―――

 

 私たちは事実をしっかり見つめ(不都合な事実から目を背けない)、批判精神を強く持って科学的・合理的に分析していかなくてはならない。「口先だけの言葉」や「転倒語」に注意しなくてはならない。

(2022年8月31日脱)