すべての放物線は相似である | 感じる科学、味わう数学

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科学は、自然そのものというより、モデルです。数学は、関係性を捉える枠組みです。
だから、正しいか否かより、大事なのは視点です。

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定理 : すべての放物線は相似である。 

証明 : すべての放物線は、回転・平行移動すれば y=ax2 (a≠0) の形になる。(自明)
     放物線 y=ax2 を原点を中心に a 倍に拡大・縮小すると放物線 y=x2 になる。
     (∵ 放物線 y=ax2 上の点を (t , at2) とし、x 座標・y 座標をそれぞれ a 倍すると
       (at , a2t2) となり、放物線 y=x2 の式を満たす)
     以上で、すべての放物線が相似である(つまり1つしかない!)ことが示された。//


 ちなみに楕円や双曲線は相似ではない。三角形や四角形など多角形も相似ではない。3次関数も4次関数もサインもコサインも相似ではない。(円どうしや正方形どうしは相似だが、それらは楕円や四角形の一部であって、楕円全体・四角形全体でみると相似ではないので、ここでは相似とみなさない)

 さて、ある種の図形がすべて相似だという例が他にあるかと考えると、直線だ。つまり放物線は直線と同じくらい基本的な図形なのである。