チェバの定理とメネラウスの定理 | 感じる科学、味わう数学

感じる科学、味わう数学

科学は、自然そのものというより、モデルです。数学は、関係性を捉える枠組みです。
だから、正しいか否かより、大事なのは視点です。

 高校数学の数学Aで出てくる「チェバの定理」と「メネラウスの定理」はとてもよく似ています。成り立つ式は全く同じで、扱い方もそっくりです。ざっくり言えば「ぐるっと回って掛けて1」。
 でも、その2つはやっぱり違うものです。さて、その違いがわかっているでしょうか。
 また、その2つの定理について、点の位置関係は下のようにそれぞれ2パターンありまして、あわせて4パターンあります。左上と右上のパターンを使える人は多いでしょうけれど、さて左下と右下のパターンを使えるでしょうか。
  
イメージ 1

 チェバの定理であれ、メネラウスの定理であれ、成り立つ式はどちらも「ぐるっと回って掛けて1」。それぞれ2パターン、全部で4パターンあると言いましたが、どの場合でも「ぐるっと回って掛けて1」。その点ではどれも同じです。
 もう一つ大事なことは、どちらの定理も「逆が成り立つ」こと。すなわちチェバの定理であれば「3直線が1点で交わる → ぐるっと回って掛けて1」が成り立つだけではなくて、「ぐるっと回って掛けて1 → 3直線が1点で交わる」も成り立ちます。メネラルスの定理であれば「3点が一直線にある → ぐるっと回って掛けて1」が成り立つだけではなくて、「ぐるっと回って掛けて1 → 3点が一直線上にある」も成り立ちます。
 チェバ・メネラウスの定理を使う際に「逆」も使いこなしたいわけですが、そのためには「チェバとメネラウスの違い」を押さえていなければ使えないでしょう。というわけで、チェバの定理とメネラウスの定理を使いこなすためのポイントを3つあげるなら、

○ チェバの定理とメネラウスの定理とは似て非なるもの
○ 点の位置関係はそれぞれ2パターンずつ、全部で4パターンある
○ 逆も成り立つ

これらをきちんと押さえておくことでしょう。慣れれば簡単、とても便利な定理です。
 練習問題は こちら を、逆を使った応用問題は こちら をどうぞ。