AIで高校生の絵心に火をつける | 感じる科学、味わう数学

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科学は、自然そのものというより、モデルです。数学は、関係性を捉える枠組みです。
だから、正しいか否かより、大事なのは視点です。

 これからの時代に大事なものを2つ挙げるなら「デザイン」と「ソフトウェア」です。
 まず「デザイン」について。ここで言うデザインとは、たとえば「ユニバーサル・デザイン」(みんなにとって使いやすい仕様)というときのデザインであって、いわゆるプロのデザイナーが手掛けるようなデザインだけを指しているのではありません。むしろいろんなモノやサービスやシステムが備えるべき「配慮、使いやすさ、魅力」、そういったものがデザインです。
 もう一つの「ソフトウェア」について。プログラミング教育の必要性が言われていますが、もう少し広く言えば、ソフトウェア教育の必要性です。プログラミング教育で身につけたいものは、端的に言えば「必要とあれば気軽にコードに手を出せるだけの技能とマインド」です。一方で、機械語レベルにまでさかのぼらなくても、使いやすいソフトウェア(「開発アプリ」なるもの)が今後ますます出てきますから、それを使って「目的を実現する、もしくは他人と共有する」ことも可能です。
 そしてプログラミングをする場合でもソフトウェアを使う場合でも、どちらの場合においても大事なのは「デザイン」です。「全体を構築(設計)するのがデザインで、パーツを完成させるのがソフトウェア(プログラミングを含む)」、そのように考えれば「デザインソフトウェアは表裏一体」だと言えます。
 また、デザイン性がないと、作る人も見る人も面白くない。そういうものがあってこそ作る人も見る人も楽しい。ワクワクする。プログラミングであれソフトウェアであれ、デザイン性がないものは社会に受け入れられないでしょうし、学校でやってもうまく実施できないでしょう。つまりはデザインを欠いたプログラミング教育・ソフトウェア教育では、社会に出てから使える力の養成にならないだろうと私は思うのです。
 そう考えたとき、学校で使いたいソフトウェアの一番手がAI(Adobe Illustrator)です。なにしろAIはイラストを作るための、すなわちデザインするためのソフトウェアなのですから、上記の目的に願ったり叶ったりなのです。

 さて、私はいま「次の春休みにAI講習をやろう」と考えています。その目的はAIの使い方を教えることだけではありません。むしろ一番の目的は「高校生の絵心に火をつける」ことです。(2つ目の裏の目的は「文化祭のポスター・パンフレットを作らせる」ことですが。)
 この後、
○ 絵を描けば人の力が花開く
そんなことを書きつなげます。

つづく。。。