微分方程式の使い道 | 感じる科学、味わう数学

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科学は、自然そのものというより、モデルです。数学は、関係性を捉える枠組みです。
だから、正しいか否かより、大事なのは視点です。

観測結果から全体像を知るためには、微分方程式を解けばよい。

《例1》
dx/dt=kx                          (観測結果 : 量に比例して増える)
 → dx/x=k dt → ∫dx/x=∫k dt                ↓ 微分方程式を解く
 → log|x|=kt+C → |x|=ekt+C → x=Aekt   (全体像 : 指数関数的に増える)

《例2》
dy/dx=-x/2y                       (観測結果 : 接線の傾きは -x/2y)
 → 2y dy=-x dx → ∫2y dy=-∫x dx            ↓ 微分方程式を解く
 → y2=-1/2x2+C → x2+2y2=C'        (全体像 : 点 (x,y) は楕円軌道を描く)

《例3》
d2s/dt2=g                           (g : 重力加速度 9.8 m/s2
 → ∫g dt=v=gt+v0                  (v : 速度  v0 : 初速度)
 → ∫(gt+v0) dt=s=1/2gt2+v0t+s0        (s : 位置  s0 : はじめの位置)

高校の数学Ⅲでは積分計算して面積を求めたり体積を求めたりするのが主だが、
微分方程式を解くことの方が本質なんだろうなぁ。