ゲーム理論 (2016年度センター試験より) | 感じる科学、味わう数学

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科学は、自然そのものというより、モデルです。数学は、関係性を捉える枠組みです。
だから、正しいか否かより、大事なのは視点です。

 2016年度センター試験の「政治・経済」の試験で、またまたゲーム理論の問題がでました。



第3問  (リード文省略)
問2 下線部(a)に関連して、国際社会の平和と安全のためには国家間の協調が重要となる。国家間協調の実現について考えるために、次の表で表されるゲームを考える。このゲームでは、A国とB国の代表が、互いに相談できない状況で、「協調」か「非協調」のいずれか一方の戦略を1回のみ同時に選択する。その結果として、両国は表中に示された点数を得る。ここで両国は、自国の得る得点の最大化だけをめざすものとする。このゲームの表から読み取れる内容として最も適当なものを、下の(1)~(4)のうちから一つ選べ。

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(1) A国にとって、最も高い得点を得るには、「協調」を選択する必要があるが、
  それにはB国が「非協調」を選択するという条件が必要である。
(2) A国が「協調」を選択する場合、
  B国がより高い点数を得るには「協調」を選択する必要がある。
(3) A国とB国がともに「協調」を選択すれば、両国の点数の合計は最大化されるが、
  相手の行動が読めない以上、「協調」を選択できない。
(4) A国とB国がともに「非協調」を選択すれば、両国の点数の合計は最大化されるため、
  「協調」に踏み切ることはできない。



《解説・解答》
(1),(2),(4)は次の点が誤り。
(1) A国にとって、最も高い得点を得るには、「協調」を選択する必要がある(←× が、
  それにはB国が「非協調」を選択するという条件が必要である。
(2) A国が「協調」を選択する場合、B国がより高い点数を得るには「協調」を選択(←× する必要がある。
  ※ 赤線部は「非協調を選択」が正しい。
(4) A国とB国がともに「非協調」を選択すれば、両国の点数の合計は最大化される(←× ため、
  「協調」に踏み切ることはできない。  ※ 赤線部を「協調を選択すれば」とするなら正しい。

(3)には誤りはない。つまり、正しい。  というわけで、正解は (3)



 私が知る限り、センター試験にゲーム理論の問題が出されたのは、2004年 ・ 2008年 ・ 2011年 に続いて4回目。そのうち今回2016年のものを含めて3回は「囚人のジレンマ」である。第3問の問題の本文、問2の表の書いてある文を読まなくても、表と選択肢を見れば出来てしまう。ずいぶん簡単な問題だと思う。