可愛がって貰っていた方が、転勤することになった。
わざわざ逢いに来て下さって。
「桃は、いちばん辞めないで残っていて欲しい子だから。
いちばん、がんばって欲しいって思ってる子だから。」
そう言われて、びっくりした。
何で、そんなこと言うんですか。
あまりにもタイミングがよすぎて、自分の気持ちを見透かされた様な気がした。
だって、辛くて早く今日が終わればいいのにって。
桃、どうすればいいんだろうって。
自分の存在は、なんて薄いんだろうって。
そう思っていたから。
あの人がいつか、言っていた。
キミの居場所を作るよって、勇気をあげるよって。
周りの目や言葉を一緒に遮断しようと。
その「キミ」に、桃もなれますか。