先日の出来事です。
夜9時ごろ、ある若者がお部屋探しに来ました。
なんでも、ここ一ヶ月何件もまわったんだけど、ぜんぜんなかったとのこと。
条件を聞いてみると、この若者が言っている予算では確かに難しい。
しかし、どうしてもこの辺りで探さないと仕事が終わってから、家に帰れないとのこと。
「分かりました。今日はもう遅いので明日までにわたしの方で探しておきます。」といい翌日改めてご来店いただくことになりました。
夜の間に、お客様の条件にあう部屋をいくつか探し出し、遅いのに大家さんの家に電話して家賃がもう少し下がらないか交渉し、結果3件ご紹介できる物件が出来ました。
終わったのは確か12時をまわっていたと思います。
翌日、朝からご来店いただき、お部屋を見に行ったあとに、更に家賃交渉をして、結局そのうちの一件で決まりました。
「これで眠れない日々を過ごさないで済みます。ありがとうございました。」
「こちらこそ、契約の日にお待ちしております。ありがとうございましたっ。」
息子様がお帰りになったあと、社員一同より
「お疲れ様でした。良かったですね。良いお部屋が見つかって。お客さんすごく喜んでましたね。」
わたしはとてもすがすがしい気持ちでした。自分でも会心の仕事だと思いました。
ところがっ!!!!!!!!!
契約の日・・・・・・
若者 (消え入りそうな声で)
「すみません。あんなに親切に探していただいたのにすみませんでした。」
わたし (・-・)んッ・・?
父上様 (明らかに敵対心むきだし。息子をたぶらかすな的な雰囲気が伝わってくる^^;)
「息子の住まいは私が決める!!そうゆう訳だから!!」
わたし (・-・)???
お客様の母上様 (泣きそうな顔で・・・)
「すみません。」
わたし (??)いえいえ??
お父様
「帰るぞ!!」
この間、約1分。
それだけ、言い残すと風のように去って行きました。
わたし及び社員一同 (◎◎)ボー あっありがとうございました。
帰り際の息子様の背中を見たときに、どこからともなく
「ドナドナドーナードーナー 仔牛をのーせーて・・・・・・・・」
と聞こえてきました。
キャンセルのことを言っているのではありません。
びっくりしました。わたしが、そこに見たものは必死に親のもとからひとり立ちしようとして、でも叶わなかった息子さんと、子供をいつまでも一人前の人間として見てやれない、見守ってあげれない、自分が常に監視することで、子供が幸せになると思っていると思っている。まさにドラマの中でしかみたことのない光景がそこにあったのです。たまたまだったのでしょうか?それとも他ではよくある光景なのでしょうか?
いずれにしても、今でもときどきあの若者がどうなったのか思い返さずにはいられません・・・・・。
余談ですが、大家さんにはお叱りのお電話をいただき、信頼を取り戻すのにしばらく時間がかかったのは言うまでもありません(^^;
お父様ーーーーーーーーーーーーーーーーー