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ことのは

本を読んで感じたことを、素直に書いていきたいと思っています。

※多くの場合、ネタバレを含むことになるだろうと思います。
悪しからずご了承くださいますよう、よろしくお願いいたします。

「自分も相手も大切にする自己表現法」というサブタイトルがついたこの本。

良いコミュニケーションの方法、つまり、技術的な何かを教えてくれる本なのかなと思って読み始めましたが
全165ページ(全5章)の内、127ページ(第4章)までは
自分も相手も大切にする自己表現を行うための心構えや心の在り方、捉え方
を説く内容でした。


だからといって、抽象的なお話だというワケではなく

実際に読んでみれば、
アサーションを実行するためにはこれらの心の持ちようがいかに大切か
この心の持ち方さえきちんとしていれば、自然とアサーティブな自己表現ができるようになるんだ
ということが自然と理解できました。




以下、ネタバレの内容を多分に含みます。




「自己表現の方法は大きく分けて3つ考えられる」と著者は言います。

自分よりも他者を優先し、自分は後回しにしてしまう「非主張的自己表現」
自分のことが最優先で、時には他者を踏みにじることもある「攻撃的自己表現」

そして、アサーションは
自分のことをまず考え、自分の気持ちを表現するけれど
相手のことも尊重し、大切にする、受け止める
という姿勢(アサーティブな姿勢)で行う自己表現です。


第1章で
3つの自己表現についてのメリット・デメリットや、
なぜこのような表現方法を用いるのかという心理状態を説明した後に
第2章以降は
アサーションを実現するためのアサーティブな心理状態になるためのお話が始まります。

第2章は
アサーティブな心理状態になるための3つの権利が語られ

第3章は、より具体的に
自分自身の物事の捉え方の傾向をつかみ、そのバイアスをはずしてアサーティブに捉え直すための心の在り方、考え方が語られ

第4章では
場面に応じたアサーションの使い分けを考えるために
アサーションによって得られるもの。その力や効果が語られます。



どの章も考えさせられ、また、強く勇気付けられる内容で
読みながら、何度となく泣きそうになりました。

どの章で説かれていることも
自己表現するということを肯定的に捉え背中を押してくれるものです。


特に第2章の3つの権利は
本当に、私にとっては救いというかなんというか…


1.私たちは、誰もが自分らしくあってよい
2.人は誰でも自分の気持ちや考えを表現してよい
3.人間は過ちや間違いをし、それに責任をとってよい



時々、
自分の気持ちをどこまで表現してよいのか判らなくなる時があります。

わがままなのかも、甘えなのかも、
受け取ってもらえないかも、迷惑かも、

そんな風に相手のことをぐるぐるぐるぐる考えてしまって
どうしていいか判らなくなる。

で、結局
そんな気持ちから出た言葉は
自分の思った通りには相手に伝わらなかったりします。

なんだろ… 余計なモノがついてしまう感じ。


この3つの権利は
そんな風に不安に思う心を優しく支えてくれるような気がしました。



だた、この本全体を通じて
著者は、自己表現するということの義務にも言及し続けています。
当たり前のことだけど、
権利を主張するには、義務を果たさなきゃいけないんです。


私が感じ取ったのは、以下の2つ

1.相手の権利も認め、自分の思い通りに動かそうとしない
2.自己表現を行った結果に対して、きちんと責任を負う


さらりと、でも何度となく伝えられているこれらのメッセージは
重いし、深い。



人とコミュニケーションを取るうえで
自分がどういう結果に持っていきたいか、どうしたいかが大切でそのためにどういう自己表現を選択するかは本人の自由。

断るもよし、受け入れるもよし、変更を提案するもよし


ただし、
相手のアサーティブな自己表現も大切にするためにも
その自分の表現によって相手が変わることを期待してはいけない。

自分の提案を相手が受け入れないこともある。

また、
自分が選んだ表現の結果は、自分で責任を負わなくちゃいけない。

断った結果、寂しい思いをするかもしれない。
でもそれも、自分が選んだ結果だと受け止める。



この2つの義務をきちんと負うためには
《どんな結果を求めているか》という芯となるモノを
自分の中心にきちんと持っていることが本当に大切だなって思います。


自己表現した結果として、相手が変わってくれなかったら
やっぱり傷つくし、
もしかしたら悪い結果になるかもしれないことを表現するには
勇気が必要です。


その結果を得るために、どれぐらい覚悟できるか

大げさかもしれないけれど

0から100まで表現する権利があったとして
どの値を選択するかっていうのは、その覚悟で決まるんだなぁって思いました。



その覚悟を持つために

心を支えてくれる
より良い結果へつながる道筋を示してくれる
それだけの価値があると思わせてくれる


そういう一冊だと思いました。