父の病気がわかったのは私が19歳の10月だった。

私は大学で地元を離れていたけど、

ほぼ毎日家族の誰かと電話で話していた。


前年に犬を亡くし、次の犬を迎えるのをみんな躊躇する中、

父の知り合いのお家に子犬が産まれ、我が家にやってきたばかりの頃。

私も犬に会いに帰り、父からも名前の相談の電話や写真が送られてきていた。

平和で幸せそのものの家族だった。


ある日明らかに元気がない母からの電話。

「お父さんが体調悪くて病院行ったよ。」

それから数日後、スキルス性胃がんで年を越すのは難しい、と。

その当時告知はあまり進んでいなかったけど、父にはお医者さんより告知してもらった。


父からはあまり病気の話はされなかったけど、一度電話口で謝られたことがあった。

「20歳まで育てて、成長を見届けるのが親の仕事だと思ってた。ごめんな。」

当時の私は気の利いた返事もできなかったな。