何回も前を通りすぎていたのに、中に入ったことはなかった場所です。
旧奈良監獄に行った時見た赤レンガ建築番付で、大阪市中央公会堂が横綱(1位)だったんですよ。
(画像は赤煉瓦ネットワークのHPからお借りしました)
いつでも行けると後回しにしていましたが、こりゃ一度しっかり見とかないと!と思い立ち、見学ツアーを予約してみました。
参加前に東正面玄関をじっくり眺めてみました。
美しいですねぇ
写真だとほぼ見えないのですが、屋根中央にローマ神話の、ミネルヴァとメルキュールという2体の女神像があるそうです。
建築当時の神像は、第二次世界大戦の金属供出によりなくなりましたが、平成の再生工事で復元設置されました。
ガイドツアーでは、まず展示室で大阪市中央公会堂の成り立ちの説明をうけます。
こちらの建物は、北浜の株式仲買人だった岩本栄之助の寄付金によって、建てられたものです。
栄之助は、1909年(明治42年)、渋沢栄一が率いる渡米実業団に参加します。
そこでアメリカのお金持ちが慈善事業にお金を使いまくってたことに、偉く感銘をうけたそうで、
帰国後、ぽ~んと百万円を大阪に寄付したそうです。
百万円って、現在の価値で50~100億円だったそうですよ
が、1916年(大正5年)、第一次世界大戦が相場に影響し、栄之助は莫大な損失を被ります。
まわりの人は「寄付金返してもらったら?」とすすめたそうなんですが、
「一度寄付したものを返せというのは大阪承認の恥」と、拒否し、
最終的に1916年(大正5年)の10月、1918年(大正7年)の公会堂完成をまたず、栄之助は拳銃で自ら命を絶ちました。
この美しい建物にそんなお話があったなんて知らなかった
これからは、この建物見る度に、ありがとう栄之助さんってなるわ
と、ちょっとしんみりした後、3階の特別室へ移動です。
中に入ると...
すっ、すっ、すごいっ
豪華絢爛です
鳳凰を描いたステンドグラスです。
中央の円を囲む四角の四隅に、大阪市の市章である、みをつくしがデザインされています。
縁の丸模様は凸レンズで、大阪の町が逆さまにうつるという洒落た仕様です。
カーテンは四騎獅子狩文錦(しきししかりもんきん)という図柄だそうです。
ペガサスに乗った人が振り返りざまに獅子を射る姿を、円の中に四騎描いているんですって。
この赤い紋は文献を調べても、何の図柄か未だにわからないそうです。
ミステリーですな
ドアの図柄は木彫りかと思いきや、色の違う木を嵌め込んで描かれているそうです。
木工象嵌(もっこうぞうがん)という技法なんですって。
床と壁の一部は国産大理石です。
ひとつひとつが大変すばらしいのですが、部屋全体を視界いっぱいにぐるっと見るのは圧巻でした。
眼福ですなぁ~
30分500円のツアーですので、ご興味のある方はHPからご確認くださいね。
終了後、階段をかけ下りてランチに向かいます。