退院後は、ひたすらNICUに入院する息子に搾母乳を届ける日々。
小梅は昼間は保育園なので昼間は時間があり、気分の良い時はバラエティ番組を見て笑ったりすることもあった。
コロナの影響で、入院中の小太郎との面会には制限があり、平日1回、土日1回のみ。平日は90分、土日は30分で片親のみだ。
小太郎が家におらず、会えず、ママやパパに会えず、1人で検査や治療に耐えて過ごす姿を想像すると胸がキュッとなった、

初めて面会に行った日。
小さくて可愛くて、涙が出たなあ。

コロナ対策のため、夫と共に物々しい防護服とマスクを着用して、小太郎を抱っこした。今後への不安、ようやくかわいい小太郎を胸に抱けた幸せ、元気に泣いていることへの安堵、我が子と病院内で対面していることへの戸惑いなど、いろいろな感情が押し寄せてきて、胸がいっぱいで、苦しかったなあ。
その後、小児循環器の先生に声をかけられ、病状説明を受けた。

小太郎は全身に様々な奇形がありvacterl連合という症候群が疑われていた。
詳しい検査の結果、肺動脈低形成および肺静脈狭窄疑いが見つかり、それにより肺高血圧が続いているという。
本来、産まれた時は皆肺高血圧なのだが、通常2.3日で正常な値まで下がる。息子は生まれて1週間経過するがそれが下がっていないらしい。
稀にゆっくりと下がる子もいるのでそれに期待したいが、いずれにせよ今のままでは心臓に負担がかかるので、酸素投与が必要である。1ヶ月様子を見て低下傾向がなければ内服治療(血管拡張薬)を開始する。肺高血圧が続くと心臓に負担がかかることが続くため、良くない。
肺動脈低形成に関しては、根治的治療はない。

以上のような説明を受けた。
酸素はいつまでか、という夫からの質問に「しばらく・・です」と医師は答えた。
わたしは突然の宣告に頭が真っ白になり、途中から話を聞くことをシャットダウンしてしまった。病状説明後、病棟を出て、横を歩く夫を見ると、泣いていた。
普段は冷静で、感情の振れ幅も少ない夫が泣いている。息子に、大変なことが起きたんだ。回らない頭でそんなことを考えて、ゆっくりと奈落の底に突き落とされていく気分だった。

ほんとかなあ。
あんなに大きな声で泣いていたのにね。
誰かと間違ってるんじゃないのかな

重苦しい気分の中、どこか現実味がなかった。