君が観た俺のホワイトアルバム最終回。 | 玩具のダイアリ ~日々をつづる~

君が観た俺のホワイトアルバム最終回。

にっこり笑った。
マゼンタ。ブラック。コーヒー。

『いいアルバムだよね』

笑った。

女はその笑顔が好きだ。
女は自分が彼の観察材料である事をも受け入れている。

アトリエを出るときのキャンバスを、ふと、観る。

意味不明。

女はどうでもいい。
その絵がどうでもいい。
彼の絵の世間的な評価がどうでもいい。

彼には彼の絵がどう観えているのか。
彼にはホワイトアルバムがどう映っているのか。
彼には女のワンピースがどう観えているのか。

鏡を観る。
自分が観る、鏡に映る自分と、他人から映る自分は違う。
彼が観る自分はどうなんだろうか、と思う。

女は
『大切にされない女』だ。
いつもそうだ。
その理由は
『どこを観ているのかわからない男』
にひかれるからだ。


Martha My Dearが流れている。

『ワタシ、このピアノ、最初の部分、中学のトキに練習したの』

赤や緑のものは身につけない。
シアン。
シアンの前後での同系色でかためようとする女の思案。


『ハハハ、今度聴かせてよ』

にっこり笑った。
その、
あてのない『今度』が好きだ。


『今日は、もういいや、どっか食べにいこうよ』

『あれ。あれ、ねぇ』

『ああ。塗ったの』

『ホワイトアルバム、赤く塗ったの?』

『うん、そうかも。二枚組だからね。いろんな曲が入ってて………いいアルバムだよね。』







内田。