こぢろが卒業した小学校が、とあることで取り上げられ、「これは公立小学校ではない」「こんな特別な小学校は参考にならない」みたいな言われ方をしているのですが……


うーん…と、思うところがあって。


まず、たしかに、こぢろの通っていた小学校は

公立小学校にしてはモダンで変わった造りになっています。


これは今から10年と少し前に、少子化の煽りを受け、学区の小学校を統廃合した関係で、建て直したのです。


ただ、その時から教育委員会と保護者の間には微妙なズレがあったようです。


「少子化といっても…極端に子どもが減ってるわけじゃない。統廃合して大丈夫?」


「1学年2クラスをベースにした小規模校舎でデザインしてしまって大丈夫?」


そんな声が出ていたそうです。


でも、区は

「少子化ですから」と保護者の懸念を切り捨て、1学年2クラスをベースとした、コンパクトで、先進的な校舎の建設を推し進めました。


結果、モダンで開放的、ホテルみたいな印象の校舎ができあがりました。


開校当時はたしかに、1学年2クラスの運用で問題なく、また、少人数校ならではのきめ細かい指導、教職員と保護者、地域の距離が近く、それぞれが連携していろんなイベントや行事ができるようになりました。


*地元商店街と連携したキャリア教育

*オヤジの会主導の体育館でのダンボールキャンプ

*朝の読み聞かせ活動

*茶道体験

加えてICT推進校にも指定され、公立小学校にしてはかなり盛り沢山なカリキュラム


こぢろが入学する頃は、その噂を聞きつけてわざわざ入学させるために、学区に引っ越ししてくる家庭が増え始めていました。

その頃、1学年3クラス

明らかに、校舎のキャパシティを超えつつありました。


でも、まだ、許容範囲でした。


もちろん、この頃からすでに区に対して

「話がやっぱり違う!子どもの数は減るどころか増えている!校舎が対応しきれない!」と言う申し入れをしていたそうです。

が、区は「来年以降は減少傾向になります」との回答。


ハード面においては実は全く良さを生かしきれず

いつもどこかしら増設工事がなされてきた校舎なのです💦


ただ、中身については、先生方、保護者、地域の協力の元、子どもたちに様々な体験を積ませたい!!という取り組みは継続されていて、私自身も出来るだけ協力したい、それが子どもたちの豊かな経験につながる…と思ってやってきたわけです。


でも、こぢろを、通わせている6年間のうちに、少しずつ、そして確実に変わっていきました。


「あの小学校は公立なのに、公立ぽくない教育をしてもらえる!」

「あの小学校は綺麗!」


そんな評判を聞きつけて入学してくる子どもたちは年々増加。

その増加とともに、イベントや行事の運営にも変化が起こります。


昔は、子どもたちのイベントに保護者の協力を募ればあっという間に集まったのに、段々


「子どもだけ参加させて、親は知らんぷり」


という層が増えてきたのです。


ダンボールキャンプには

ご飯作り

銭湯への引率

夜の見回り

沢山の大人の手が必要です。


参加する子どもの数は増えるのに、親の手伝いは減っていきます。


私はこの頃から少し違和感を感じていました。


「この小学校の教育は素晴らしい」という評価や評判を聞きつけてやってくる保護者の中には、それが長年かけて、先生や保護者や地域が協力しあって築き上げてきたものだということを理解せずに、子どもを学校に丸投げすればいいと思ってる人達がいること。


公立だからこそ、それは無理なのに。

そして先生たちへの批判や申し入れも増えています。

先生たちは協力者であって、敵対する存在ではありません。でも、なんだか少し攻撃的な申し入れが増えているような気がします。


こぢろの通っていた小学校は、恵まれていた部分はあるかもしれません。

でも、よい学校にしようという思いで、大勢の人たちが努力したからこそ、なのです。

別に、文科省や教育委員会が模範校を作ろうとして、手を入れたからではない…

はずなんです。


学校の先生たちの熱意

通わせる親たちの熱意

地域の人たちの協力


それらがあったからこその「よい小学校」になったと思うのですが…正直今はそれが少しずつ崩れつつあると感じています。


もちろん、先生方も数年単位で入れ替わるという変化もあるとは思いますが、私は親側の変化もあると思います。


子どもたちに豊かな経験を、よい教育を、と願うのは親なら誰でも思うことでしょう。

でも、公立に通わせるのならば、ある程度やはり親も労力を提供する必要があるのではないかと私は思うのです。

納税してるじゃないと言われたら、そうなんですけど…

そして、別に親のボランティアを強要するつもりもないんですけど…


なんというか。

親だけ楽して(言い方悪いですけど)


子どもにいい教育を!

格差のない教育を!

それが公の教育の役割だ!


と、声高に叫ぶのはどうかと思うんです。


親も少しは力を貸してもいいんじゃない?と。


だって我が子のことだし。


PTAの強制とかそういう話ではなくて。

いろんな保護者がいるので、ちょっとずつ得意を提供したら、きっといろんなことができると思うんですよね。


公立だからこそ、いろんな事情を抱える家庭、あるでしょう。だからこそ。

親と先生たちの協力体制、必要なのでは💦


そうしないと、こぢろの通った小学校も近い将来「普通の公立小学校」と呼ばれるようになるでしょう。

↑普通の公立とか特別な公立ってなんだ?とは思うけど…💦


我が子の通う小学校に

もっと親は関わっていいんじゃないかと思います。

(あれこれ口出すと言う意味でなく)


特別な小学校なんて、あるのかな。と、思ったんです。誰かがよい小学校にしたいと思って頑張る。それに共感する人たちが集まって協力する。それがどんどん広がって続いて今がある。


私はそう思ってたんですけどね💦