私たちとしては、入院となってホッと一安心…というところですが、義母にしてみればとんでもありません。苦笑
点滴と輸血で意識も明瞭になってきたからこそ、状況が飲み込めません。
*なぜ入院してるのか?
*なぜこんなに頭がぼんやりしてるのか?
*なぜ身体が言うことをきかないのか?
*それで私は一体なんの病気なのか?
救急車で運ばれるまでは、ある意味「自分の具合の悪さ」すら自覚できないほど悪かったのだと思います。
具合が悪いことを自覚できるくらい意識が戻ってきたんだな〜と思ったのですが。
良かれと思って持ってきていた、義母の携帯電話。ですが…
義母は携帯電話で自分の兄弟姉妹に電話をかけまくった模様です。
「私はもうダメかもしれない」
入院した翌々日。
貧血もだいぶ落ち着きを見せたので、ある意味多少ホッとして仕事していた私に、夫から電話。
「なんか死ぬかもしれないって電話かけまくってるらしい」
「…誰が?」
「ばーさん」
「何で。根拠は。なんか数値が悪いってか?主治医が言ってんの?」
イラッとした私。
「いや、本人がなんかもうダメかもって」
「ダメじゃないでしょ。むしろ回復してんじゃん。……あ〜、もういい。私行くわ。」
お前もお前のかーちゃんもどうしようもなくダメだな!!
仕事と仕事の合間に病院へ。
たまたまナースステーションにいた主治医と話をすると不思議顔。
「症状は改善してますよ?」
うん、知ってる。
「あー、メンタル的なものか」
そう。
メンタルヘルス科の先生の手配もしてもらえることを確認して、病室へ。
そこには憮然とした顔の義母。
とにかく、何もかも思うように動かない、頭も働かない、どうしてこうなったのか、全くわからない。私はどうなるのか。などなど。
食事がまずいだの、眠れないだの。食べろ食べろってそんな脂っこいもの食べられるわけないわよ!!
…すべてについていちゃもんだな。
ひととおり聞いて、救急搬送されるまでの状況を説明。
「あのね、お義母さんは自分の具合が悪いことさえも把握できないくらい悪かったの。今は、自覚できているからイライラするんでしょう?むしろ、それは良くなってる証拠」
と、伝えたらなんとなく通じたらしく…
寝ましたwww
実は、今回の入院騒ぎでおくすり手帳を見てはっきりわかりましたが、義母はやはり(前からそうかなって思ってたけど)うつ傾向にあったみたい。
抗うつ剤が処方されていました。
だから、今回こんな騒動になってパニックになったんだと思います。
病気なんだから仕方ない。なんで私がこんなに振り回される必要があるんだろう…と思いつつも、仕方ない。これが親が老いるということ。私も老いていくということ、と、感じたのです。
そして、この日、初めて夫が私に頭を下げました。
「ありがとう」
と。
2週間たった今。すっかり喉元過ぎればなんとやらになってますけどね……
ふっ、人間とは一体……