義母は意識朦朧として、呂律が回らず、しかも嘔吐をしていました。
すかさず夫に連絡して救急車呼ぶよ!と。
「できれば今かかっている大学病院に連れて行ってもらいたい。あそこは救急センターがあるし。」
救急車は指定できないし、はっきり言って待ってられない!今すぐにでも病院に連れていかないと死ぬかもしれないよ?!と、言いました。
「今、主治医に連絡してる。もう少し、もう少しだけ待って」
とりあえず、救急車を呼ぶとほぼ一気に運ばれるので、その間を使って準備を開始しました。
何よりまず、こぢろの預け先確保。
3年生から同じクラスになり、仲良くしているママ友の顔が浮かびました。
祈るような気持ちで電話をし、事情を説明すると
「すぐ、うちに寄越しな!!晩御飯は?大丈夫?迎えにもいけるよ?」
この言葉が、どんなに心強くありがたかったことか…これで、震えが少し収まりました。
とはいえ、こぢろにはあまり不安な思いをさせてはいけない。
簡単に状況を説明し、パジャマを持たせ、すぐ友達の家に向かわせました。
そして、必要最低限の荷物。
お金と、ケータイと、鍵を小さなバックに詰めるとすぐとなりの義母の家に行きました。
相変わらず義母は意識朦朧としたままソファにもたれかかっています。
義母のハンドバッグとお財布を確認しました。保険証や診察券、今までの検査結果などが入っていることを確認。
夫から連絡があり、義母の異変を感じ、救急車が呼べるように段取りするまで30分もかかっていませんが、恐ろしく長い時間に思えました。
夫に連絡するも「ずっと保留にされてる。あと10分待って繋がらなければ救急車呼んでどこでもいいから運んでもらおう」ということになり、10分。
その10分の長いこと長いこと…
そろそろタイムリミット…というところで夫から連絡が入り、義母が通っている大学病院で受け入れのオッケーが取れたとのこと。
即、119を押しました。
「火事ですか?救急ですか?」
「救急です…あの、血液の病気で…」
「住所はどちらですか?」「マンションですか?戸建てですか?」
必要最小限のことだけ聞かれて「すぐ救急車行きますので」と。(余計な情報は聞かないシステムらしい)
そこから救急車が来るまで恐らく10分くらいしかかかりませんでしたが…ものすごく長く感じました。。。
義母も夫も周囲を気にするタイプ。
昔、住宅街だとサイレンの音が近所迷惑になるという場合は消音で来てくれる…という話を聞いたことがあるので、そうつたえてみたら
「緊急車両ですのでできません。ご理解ご了承ください。」
バッサリ切られましたYO(笑)
ただ、なんと、我が家は住宅街の入り組んだ場所(震災で火事が起きたらかなりアウトな場所)にあるため、救急車が入ってこれずワンブロック先に救急車が止まったため、ご近所には全く気づかれずに搬送されました…というオチ。
救急車を呼んだことは義母には伝えていなかったので、救急隊の人がきたら抵抗するんじゃないか?と不安もありましたが(意識朦朧としてるから余計に)幸い、素直に運ばれてくれました。
やはり抵抗する力はなかったのと、相当苦しかったのだと思います。。。
「娘さんですか?」と、救急隊の方に聞かれて「あっ、義理の娘です。」と答えるあたりに私自身のわだかまりというか何かを感じました(苦笑)
「付き添っていただけますか?」
「もちろんです。」
そして、実は血液の病気の疑いがあって検査を今続けていること。恐らく、この辺りの救急搬送範囲であろう大学病院がそこであること。また、主治医と連絡がとれて、その大学病院の救急センターでの受け入れ許可をもらっていることを伝えました。
ダメ元で伝えてみたのですが
「私たちの方から確認してみます。それで問題なければそちらに搬送しますので」
と、穏やかに答えていただきました…
勝手なこと言わないでください!と、怒られる覚悟だったのでほっとしました…
救急車、本当にありがたかったです。
こんなにほっとしたことはありません。
大したことないのに呼んだと思われたらどうしよう、本当に呼んでいいのか、とにかく、救急車を呼ぶべきなのかがわからず、不安でした。
気軽に救急車を呼ぶことが社会問題になってると聞いたことがあったしニュースでもみたことがあったからです。
でも、切羽詰まった状況でこんなにも速やかに来てくれる…救急車というシステムは素晴らしいです。どうか、この素晴らしいシステムが今後も円滑に回るように、どうかどうか、タクシー代わりに呼ぶとかマジでやめてください。
必要な人にとっては神の車です。。。
もちろん、こうなる前にタクシーで連れていけばよかったという反省があります。
でも、私には難しかった。
ここに義理という限界がある。
実母なら多分、弟と二人で叱りつけてでも連れて行った。。。
今回の緊急搬送は正しい選択だったのか?というと…多分正解。
血液中のヘモグロビンが11g以上基準値のところ3.6gしかありませんでした。
医師も予想しなかった急激な減少。
でも、こうなる前に早めに病院に行くことはできた。どうもおかしい、とても辛いですと、訴えて外来予約前にかかることはできた。
それを頑なに拒んだ結果がこれです。
搬送されてすぐ点滴や輸血が始まりました。
先生たちから「聞こえますか〜?あのね、ちょっと入院が必要になりまーす」と呼びかけられた義母は弱々しい声で「え〜…ヤダ…」
↑ここで、病院にて合流した夫にさすがに叱られてましたけど。当たり前じゃ。
こぢろの様子はちょいちょいママ友からLINEで送られてきていました。
仲良しのお友達宅に予想外の平日お泊り。
楽しそうでした。
救急車に彼も付き添わせる、今起こってる事態を把握させるという選択肢もありました。
が、大好きなばあちゃんが、意識朦朧として呂律も回らず、下着姿で倒れている…そんなところを見せたくありませんでした。
ばあちゃんだって、孫にそんな姿見せたくないに決まっています。
そう思ったので、お友達の家で楽しく過ごしてもらうことを選びました。
彼女には感謝しかありません。
そして、咄嗟の時にお願いできる存在がいたことに、感謝しかありません。
私も誰かから頼ってもらえる、そんな存在でありたいと心から思いました。