保育園に入園した時に思った。

「ここに6年間通うのかぁ・・・6年・・・・って、なんだか永遠に先のことみたい」と。

6年後のことなんて、私には遠い未来だった。
その時、こぢろはまだ7か月。

同僚のママに「小1の壁」の話なんてされても「・・・小1どころか・・・そもそも保育園を無事に終われるのかって話だよなぁ」なんて思っていたのだ。

でも、時は着実に流れ、「乳児」だったこぢろは「幼児」になった。
口も達者になり、自由にどこでも走り回る。
簡単な絵本なら読みこなし、DVDもさっさとセットする。

0歳児クラスのころから書き続けた連絡帳。
毎日毎日、子どものささいなことを書き、先生は子どものささいなことを書いてくれる。
毎日書いていればネタも尽きる。疲れて連絡帳すらかけない日もあった。
でも、先生からの子どもに対するコメントを読むと「ふふっ」と笑ったり「ひえー」と頭を抱えたり。

だから、できるだけ書いた。
小さなことも、くだらないことも。
0歳児から毎日、毎日。これがいつか貴重な思い出になる日がくるだろう、そんな風に思いながら書いた。

書き終わると、保育園の事務所にいって新しい連絡帳を買う。
この6年、当たり前のように繰り返したその行動。

そして、私は今日、ついに最後の1冊になるであろう新しい連絡帳を買った。

事務所の扉をたたいて、園長先生に「連絡帳ください」と伝える。
これも最後。

涙もろいと笑わば笑え。

もう、本当に泣けたのだ。

これが最後の1冊。

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この連絡帳が終わりきる前に、こぢろは卒園するだろう。

この保育園に通うことはないのだ。・・・第二子を産む予定がないから・・・

保育園に預けることをよく思わない人がいる。
3歳までは手元で子どもを育てることが最高の育児だと信じる人がいる。
そんなにしてまで働かなくてもいいじゃないという人がいる。

私は、それを否定しない。

でも、私はそれを選択しない。

なぜなら、保育園に預けて、子育てをしながら、働いたこの5年間はつらくて大変でしんどかったけど、さらにいうなら自分の身体を壊すまでに至ったけど(笑)、でも、そんな自分が誇りに思えるから。

自画自賛か!(笑)

でもね、自分だけじゃこんなに頑張れない。
子どもがいるからこそ頑張れた。

息子に「恥ずかしい姿見せたくない」という気持ちが、私を支えていたのだと思う。

仕事でも保育園の父母会活動でも。
先生たちとも本音で話せた、地域の中で子育てするということが、甘い現実ではないということもよくわかった。それは保育園という場所に子どもを預けなければ知ることができない世界だった。

子育ては綺麗ごとじゃすまされないこともいっぱいある。
周囲とぶつかったり、批難されたり。いろんな価値観の中で、いろんなことが起こる。
それらすべては、自分の糧になる。

こんなに濃い時間は、もうないと思うというか・・・できない。
(というのは、同時にこんな濃い時間を過ごしたから自分が若干壊れたんだと自覚したから)

この5年間の連絡帳は、こぢろの成長記録とともに、私が闘った日々の証だ。
だから、こんなに寂しくなるんだ。

卒園が1日1日と近づいてくる。

私自身はもう保育園に子どもを預けることはない。でも、どこかで今後も保育園にかかわることができないだろうかと考えてもいる。
もちろん、これからは小学校が始まるので、新しく大変な日々(PTAとか)が始まるのだろう。
でも、いつか、こぢろも手を離れて、私も落ち着いた時、また保育園に戻って子どもたちや先生たちと過ごす時間が取れないだろうかと、思う時があるのです。

(こぢろの保育園には、パート職員さんがとても充実している。それは元保育士さんだったり、近所の子育て経験者の「おばちゃんたち」だったり。実は人生経験豊富なこのパート職員さんが、先生以上に心強い味方で、私も何度救われたことか)

いつか。
それこそ…遠い未来に。