昨年の3月、こぢろは入院しました。
病名は、溶連菌。

普通に考えて入院しなくてよいこの病気。なぜ入院なのか?
悪化したから?

違います。

こぢろは薬を吐くからです。
正確にいうなら、吐くのは薬だけではありません。一緒に、前に食べたものも吐きます。全吐きです。そのため抗生剤が飲めないのです。その場合どうなるかっていうと…点滴です。

当時の様子はこちら

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あの悪夢から1年。誰もがそれを遠い記憶にしていた時、

やつはきた!


昨日、久しぶりのお迎えコールが鳴りました。38度の発熱で食欲がないとのこと。
でも、元気。

喉が痛いと言っています。

なるほど。
先週からイベント続き、安定しない気温、風邪ひいたかな?と思いつつ、一晩様子見をして今朝、小児科へ。

先生曰く

「夏風邪が流行ってるからなぁ…3日くらい夜になると熱が上がる、朝は下がる…てタイプの夏風邪が流行ってるから、それかな?あとは、喉が痛いとなると…溶連菌?…え?去年入院?どこに?…あ、そう。じゃ念のため溶連菌の検査はしておこっか」

溶連菌の検査って、喉に綿棒突っ込んで検体取るんだよね。

…ギャン泣き。

そして待つこと10分。

溶連菌ビンゴ

こぢろ、アウトー

て、ナレーションがかすかに聞こえたよね。私の頭の中に。

朝晩1日2回の投薬が、どれほど辛いか…御釈迦様でも知らぬ仏のお富さんですよ。
春日八郎ですよ。

「抗生剤飲めばね、2日くらいで菌はいなくなります。だから5月5日くらいからは普通に過ごせます。保育園はね、7日から行っていいです。抗生剤飲めばね。でもね、抗生剤は10日間飲んでね。朝晩1日2回。」

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存じております。抗生剤必須てことは。
だからこその入院でした、去年。
神様。この人飲むんでしょうか。

「飲まない場合…ほっとかないでね。そうなったら点滴で入れるしかない。前に入院してる病院があるなら、そこに。でも、明日から連休だから早めの判断が必要。…粉薬がだめなんだよね?」

そうです…

「入院、嫌でしょ?怖いもんね」

先生…この人は、薬を飲むより入院を選択した男なんです。

「錠剤出そうか?」

錠剤あるの?

「錠剤でお願いします」

一縷の望みをかけて、錠剤を処方してもらいました。

朝の分、すぐ飲んでね?と、言われたのですぐに薬局に駆け込み待つこと約20分。
抗生剤メイアクトがやってきました。ビオフェルミンとともに。

なんだよビオフェルミン。抗生剤の他にもうひとつ飲むの?
これ、飲まなきゃだめ?
必要最低限な物しか飲ませたくないんだよ!!(悲壮)

抗生剤はお腹の良い菌も殺すから整腸剤が必要なんだって。下痢とかするんだって。
ねぇ、それって正しい治療なの?!

↑薬を飲ませることが本当に大変なので全てにおいてネガティブになる私です。

世の中のお母さん達は不思議に思うでしょう。

溶連菌?うちの子もかかったけど…あぁ、薬をしばらく飲ませるのが、ちょっと面倒だよね。

それくらいですよね。きっと。わかります。それが普通なんです。


うちの子普通じゃないんです。


薬を飲まない。

そういうと、相手から発せられるそこはかとない「へ~?薬飲ませられないの?あんたが甘いからじゃないの?」感。そんなことってあるの?感。

…いや、わかるよ。きっと私がだめなんでしょう。そんなに激しく薬を拒絶する子どもの話なんて聞いたことないもん。

うちの息子以外で。

具合が悪ければ薬を飲むのは当たり前じゃないの?と思ってる全国のお母さん。

当たり前じゃない子もいるんです(号泣)

躾がなってないと思わば思え。
だが、あえて言おう。

躾とがそんなレベルは超えてると思う。

だって吐くんだもん。
薬だけじゃないんだもん。
前の食事もつられて全部でてくるんだもんさ。

あはははは~

これ、躾でなんとかなるの?( ゚д゚)

とはいえね。いくら私がだめ母だって、もはや薬を飲まないからってだけの理由で入院とか、いい加減無理だってわかってる。こぢろも今や5歳ですよ。来年は小学校に行こうかって人ですよ。

薬、飲みません。

が、通用しない年齢だってわかってます。

錠剤は飲んでもらうから。

と、いう強い決意のもと、その場で薬を飲ませることにしました。
そこの薬局は、フリードリンク(ほうじ茶、コーヒー、玄米茶、お水)が置いてあり、店内には大きなアクアリウムが設置してある広くてこぢろがお気に入りの薬局。
↑薬飲まないくせに、薬局は好き。魚が見られるから。

お水をもらって、椅子に座らせ、目の前に錠剤を出す。

「こぢろ、これね。これ、飲まないと死ぬから(お母さんが精神的に)飲むね?」

「うん」

粉薬は味がするから嫌なのだ。ならば錠剤なら味もしないし一気に飲めば簡単なものだ。理屈は簡単だ。
それを、このクソ頑固なこぢろが理解しちゃっちゃと飲んでくれるかなのだ!

ぱく。

「味わうな!!一気に飲め!!」

「なんか…」

「なんかじゃない~!!溶ける~!!溶ける前に飲め飲め飲め!!!!」


飲めた。


一般の親子が、そんなに難しくなく超えられるはずのハードルを、我が家は何年かかって越えたでしょう…
私は、その場で舞い踊りたい気持ちでした。

薬を飲まないこぢろ、飲ませるられない自分。
本当に本当に辛かった。

基本、いい子だと思ってます。他の子と比べたってできる子だと思ってる。ひどいわがままもあまり言わない、優しい子だと思ってる(親バカ)
でも、こと、薬に関しては…
辛かった。

錠剤万歳!!!

今晩、また、飲ませるんですけど…先ほどが奇跡じゃなかったと思いたい。
もう、当たり前に飲んで欲しい……