なんだか悲劇のヒロインちっくなタイトルですが。笑
友人の一人にシングルマザーがいる。
それも、最初からシングル。いわゆる、未婚の母だ。
私が彼女に出会ったときは、すでにもう子供もいる状態で、しかもこぢろと半年違いということもあり、子育ての話なんかはよくするのだが、なぜ彼女がそういう選択をしたのかは知らない。
彼女から話してこなければ、きっとこれからも私は永遠に彼女がなぜその選択をしたか理由を聞くことはないだろう。
とにかく、彼女は一人で息子を育てている。
そのバイタリティには頭がさがるばかりだ。
そんな彼女がため息まじりにこんなことを話し始めた
「最近、息子がさ、下唇をかみしめるようなしぐさをよくするよーになってさ。私も気になって気が付いたら『おくち!』っていうようにしてるんだけど、直らないんだよね。だからおしゃぶりがほしいのかなって思っておしゃぶりクセになって欲しくないって思ったんだけど、おしゃぶり欲しいのかなって思ったからあげてみたわけ。そしたら、おしゃぶりは嫌なんだよね・・・直らなくってさ」
行動はちがうが、こぢろは『指しゃぶり』
私もおしゃぶりをあげてみたけど、全然だめだった、という話をした。
「そっか。それでウチの方はさ、先日保育園の先生が私に『●●くん、最近頻繁に下唇を噛みしめてるんですよね。保育園ではできるだけ気をそらすように遊びに誘ったりしているんですけど。・・・もしかしたらさびしいのかもしれないですね。お母さんもう少しコミュニケーションとってあげてください』とかいうんだよね」
彼女は悔しそうに言葉を切った。そして
「ねぇ、私にどーしろっつーわけ?家に帰って8時、そっからご飯の支度して食べさせて洗い物して洗濯してお風呂にいれてさ、寝付かせるのがやっとなわけよ。なんなの?アタシに飯をつくらず子供の相手しろと?私だって出来るだけ遊んであげたいよ。けど、平日家に帰って寝かせるまで実際問題そんなに時間はないよ。どうしようもなくない?ご飯も食べなきゃいけないし風呂にも入らなくちゃいけないんだからさ!!!」
わかる。
わかるよ・・・その気持ち・・・・
いや、私なんて全然彼女より恵まれた環境にいる(隣に義母が住んでるから人手がある)のだけど、そんなこと言われたらプチーンでなる気持ちはわかるよ。
彼女は、一家の大黒柱であり、母なのだ。フルタイムで働き、保育園に迎えにいき休む間もなくご飯とお風呂、洗い物と洗濯・・・・ゆっくり子供と接している時間が取れないのはどうしようもないのだ。
でも、彼女は息子のために一生懸命で素敵な母親だし、コミュニケーション不足、愛情不足なんてとんでもない!
誕生日には息子の大好きな「東京●線のタクシー」型、かなり値が張ったようだけど「記念だからさ。思い出になればって思って」と特注で頼む。
私は、そんな彼女は本当に「いいかーちゃん」だと思うし、息子にたくさんの愛情を注いでいる素敵な母親だと思っている。
必死で働いているのは、息子が可愛いからこそだ。
なのに・・・
保育園の先生からそんな言葉は聞きたくなかった。
働く母親は多かれ少なかれどこかに罪悪感や迷いを持っていると思う
これでいいのか。
子供もそばにいたほうがいいのじゃないか。
常にそんな迷いが心のどこかにある。打ち消しても打ち消しても完全にそれが心から離れることはないだろう。
とくに
子供が病気のとき
子供が「行かないで」と泣きじゃくるとき
指をしゃぶりながら保育園のベランダから私のことをじっと見ているこぢろに手をふるとき
私の心が全く痛まないわけじゃない
葛藤しながら
それでも会社に行く
一体何のために?
私がやっていることはただの自己満足?と思いながら
百歩譲って私のように配偶者がいて、私が働かなければ生活がなりたたないわけじゃないような働く母親にいうのは構わないけど(いや、本当は言って欲しくはないけど)
友人のように「子供のそばにいたくたって、自分が働かなければ生活が立ち行かなくなる」状況にいる母親に、「もっと子供のそばにいてあげてください」といわないで。
それが出来ればどんなにいいか・・・と思っているのは母親本人なんだから。
彼女の話を聞いて、なんだか切なくなった。
悩むことも迷うこともあるけど、子供を愛する気持ちは働いていようがいまいが、変わりはないはず!!
頑張ろう!働くかーちゃんず!!