今、保育園で署名活動が行われている。
待機児童の解消策として保育園の基準を緩和しようという動きがあるのだそうだ。

それに対する反対の署名活動だ。


ちょうど昨日の日経新聞夕刊にもその記事が掲載されていた。

現在の認可保育園の基準は以下のとおり。


居室面積 子供一人あたり

2歳未満児 乳児室1.65平方メートルほふく室3.3平方メートル

2歳以上児 保育室または遊戯室1.98平方メートル


保育士の数

0歳児 子供3人あたりに保育士1人

1-2歳児 子供6人あたりに保育士3人

3歳児  子供20人あたりに保育士1人

4歳児以上  子供30人あたりに保育士1人


そのほか、保育所は飲食店が階下にある場所には設置不可(万が一の火災リスクを考え)なのだそうだが、そのような基準も撤廃するのだとか。




去年の私。


認可保育園どころか認証、無認可…あらゆるところにキャンセル待ちをかけ…「入れるならどこでも…」という気持ちだった。
ちなみに無認可というと聞こえは悪いが、国から補助がなく親から高い料金をもらう分、サービスはきちんとしている印象を受けた。(認可外という言い方の方がいいのかな?)


園庭は当然ありえないが、対応もしっかりしているし…私個人の全くの私見だが…認証より無認可の対応に好感がもてた。(私の友人は認証保育園に預けているがとてもいいと言ってたのでその施設によるものだが)

ただ…やはり狭い…
子供にとってはちょっと窮屈な印象は否めなかった…

とは言え、認可保育園の許可がおりなければ、とにかく預かってもらえるなら仕方ないとどこでもありがたいというくらい気持ちが追い詰められていたのだ。

本当に幸運なことに…
認可保育園の入園許可がおりた。実は私、認可保育園についてば申し込みの時期がぎりぎりで見学に行けずホームページと口コミだけで決めたのだ…
入園許可後の健康診断で初めて保育園の施設内に入り…びっくりした…
園庭はもちろん、屋上には簡易なプール…室内運動場として利用できるホールもあり…

その設備の差に心底驚いた。

子供を預けて働く親ならそりゃあ認可保育園に預けたいと思うに決まってる。
誰だって我が子をよい環境の中で育てたいと思ってる。

よい環境って定義が難しいけど…

でも一方で受け入れ先が見つからず職場復帰を控え毎日悩む母親の気持ちも痛いほどわかる。
多少詰め込みでも仕方ないから預かって欲しいと思ってしまうだろう。

そして、そう考える母親がなぜか責められる…

「そうまでして働きたい気持ちがわからない」

「自分を犠牲にしなければ子育てなんてできないのだ」

など…

何が正しいかなんて誰にもわからない。子育ての正解なんて、結果(子供が一人立ちできるようになって)でしかわからない。→だから怖いのだが…

でも、今は不況で終身雇用制も崩れみんな明日はどうなるかわからない。今ある仕事を続けていきたいと思う母親が増えたことは批難されることではないと思う。

もし将来に不安がなく、国の制度として年金がきちんと支払われ安心して暮らせるなら…
また少し違うのかもしれないけど…


だから、基準緩和について「狭すぎるのは困るけど背に腹はかえらえない」という保護者の意見があるのはもっともだと思う。

それくらいみんな追い詰められているのだ。


でも、先生たちからすると・・・また別の意見だ。

負担も増えるし、事故など不安も増えるだろう。

基準が満たされている認可保育園の先生でさえ不安なのだから・・・他は推して知るべしである。


施設を増やせというのは簡単だが、そんなにすぐ施設は増えないだろう。

今、育児休業が切れそうな人に言わせれば「今、今必要なんだよ!」というのが切実な叫びだ。


正直なところ、この署名活動を推進していいのかどうか迷う。

今、保育園に預けて働いている自分としては・・・今の保育園環境は維持して欲しいし先生たちの味方もしたい・・だけど、預け先がみつからず「今!!今の対応が必要なの!」と心から叫んでいる母親たちの気持ちを考えると・・・


私はラッキーだった、だからというわけにはいかない。


去年の自分の不安な気持ちは忘れていない。

あんな思いを抱えている母親がたくさんいるのかと思うと・・・


子育てと仕事は両立はできない。


はい、認めます。笑

少なくとも私は「両立」なんてできていません。

日々 精一杯やっても妥協の毎日でございます。


法律や正論だけでは進まないのが現実だ。

それが、自分が経験してみて実感した本音の感想だ。


あぁ・・・署名用紙もらったけど・・・どうしよう。