私は出産前までは広報とIRの仕事をしていました。



それは私にとってとてもやり甲斐のある仕事でした。



仕事を通じて知り合った人たちとの交流も楽しく、切磋琢磨しあう関係も刺激的で…

もちろん嫌なこと大変なこと悔しいこともたくさんあったけど私は仕事を楽しんでいました。



妊娠して…産休そして育休を取得。自分が復帰した時に元のポジションに戻れないことなど考えたこともなかった…



けれど



基本一人で仕事を回さなければいけないポジション、今思えば時短勤務になる私には到底さばききれなかったでしょう



取締役会や経営会議にすべて出席し議事録を作成し

経営上の重要事項をきちんと把握し

必要に応じタイムリーに開示を行い

毎日日経新聞をチェックし市場の動きをとらえ

社内の各部署からリリースネタをもらい

コーポレートサイトのメンテナンスをし

株主通信を年に2回作成し

四半期毎の決算に伴う投資家対応をし

個人投資家対応をし

会社案内やコーポレートサイトのリニューアルもし

社内報を作り…



上場しているとはいえ100人規模の小さな会社。

ノンプロフィット部門に2人3人の人間を配置する余裕はないのが現実です。













数週間前からちらほら、私の耳には私の後任として広報IRを引き継いでくれていた女性が退職するようだ…という話しが入ってきていました。



でも彼女自身からは何も聞いていないし…



一瞬、一瞬だけ「もしかして…?」という気持ちが生まれたのは否定できません

でも、いろんなことを考えたら無理に決まってるし

何より、育休から復帰し行き場のなかった私を受け入れてくれた今の出向先



社長をはじめ子会社の人たちのことを考えたら…私はまだまだここでやれることをやっていかなくちゃならない

実際、私がきてから引っかきまわした(笑)ことがいっぱいあり(もちろん私自身がきちんと整備しなおす覚悟の上)中途半端になっている業務がたくさんある!

ここで出向元に戻るなんて、できない。



それに先日のこぢろの体調不良…今は総務人事という社内向けサービス部署だから最悪「ごめんなさい!!!」がきくけれど、対社外ではそうはいかない!!

だから今はここでやれる精一杯をやること

それが私にできること





今の会社の社長から呼び止められました



「ぢろりさん…ちょっと…」



話しの内容は、私の後任だった広報IRの女性が辞めること、もし戻る話しがあったらあなたはどうしたい?



ということだった



私は正直な気持ちを話した

ただ結論としては今はここで頑張りたいということも



社長は



「…ありがとう…実は…さっき私に打診があったんだ…ぢろりさんを戻せないかって…私個人の思いで、今はまだ困るって言ってしまったんだけど、あなたのキャリアや幸せを考えたらどっちがいいのか迷ってしまって…」







私はこの社長のこういうとこが好きだ。

社長として会社組織の運営上困ると判断しながら、私個人のことも気にかけてくれる…



キャリアも大事だけど…



何より必要としてもらえるところで働けること

私は幸せだと思う

私自身が一番辛く感じていたとき、決して業績としてはゆとりがあったわけではないのに受け入れてくれた今の会社



私はそれに報いたい



ほぼ同じタイミングで出向元の元上司からメールがきた



「昼飯でもくわない?」



8年前、何もわかってなかった私に金融や経済の仕組みを教えてくれたのは元上司。

5年間いろいろあったけど一緒に働いてきた。

誰よりも信頼してきた。



でも



もし万が一元上司に「戻らない?」と聞かれても…私からは戻るとは言うまいと決めていた。



そこには多少「意地」もあったのかもしれない



復帰から自分なりに複雑な思いを抱え、やっと自分なりの立ち位置を見つけはじめた私の意地…



昼飯に私の好きな焼肉ランチを食べつつ、今の移転プロジェクトについての愚痴なんか話してみる(笑)



元上司が一言つぶやく



「ぢろりを今こっちに戻すのは無理っぽいな」




・・・・・・・




一瞬のうちにいろんな思いが錯綜する


「無理ですよ!それに私がそっちに戻ったところで足を引っ張るだけです…若者を育てるのも大事じゃないですか!!
頑張って育てなくちゃ!」


私の中でふっきれた瞬間。

私は
今の会社で
今の与えられた立場の中で
やっていく

できること
できないこと

それは私のやりたいこととは一致しないかもしれない

だけど

きっと無駄にはならないはずだ
今やれるなかで最善をつくす
そうすればきっと道は開けるはずだ


長々とした文章にお付き合いいただきありがとうございます。
今年はこんなふうにいろいろ思うところのある一年でした。
来年は屈託のない一年にしたいです♪