金曜日。
私のイライラは頂点に達していた。

月初の忙しいこの時期、上司にむだ足を踏まされたのだ。

上司の業務におけるいい加減さというか、曖昧さというか…半年の付き合いでわかってはいたけど…今日という今日は堪忍袋の緒が切れた…
ような気がしていた。
→むだ足踏まされたのは上司の怠慢のせいなのだ。
こんな人が上司なんてやってられるか馬鹿やろう。つか、これで執行役員の給料もらってんのか給料泥棒!!
とか…とにかく声にならない罵詈雑言が胸の中で荒れ狂う。

片付けるべき業務は山積み。それで2時間無駄にしたら…
好き勝手に残業できるアンタとは違うのよっ!

否、もし私が残業できる身分なら…

リーガルチェックと与信管理は、少なくともやる
社員ごとの勤怠条件の確認だってもう少しマシに整理しておく!!

アンタなんか蹴落とすくらい仕事してやるわよ!

と、同時に空しい風が吹く。
私一人がムキになったって意味ないのかな…
今の上司は今の上司。
彼がそれでいいと思って業務指示を出している以上、私はそれに従い…むだ足でも上司が指示したんだもんね

はぁ…

ムキになって仕事しなくちゃ、あれもこれもなんてキリキリしているのは私だけ?

私の感情はイライラからしょんぼりに移行した。

しょんぼりしながら保育園にお迎えに。
こぢろ絶叫のお出迎え。

いーーーーーーーやーーーーーーー!!

…嬉しくて叫んでるみたいではあるが…
迎えに行ったからってすぐ帰れるわけではない。洗濯物を回収して連絡帳に一日の様子を転記して…

だんだんだんだん

だんだんだんだん

床を激しく鳴らし早く連れて帰れと要求するこぢろ。

待て、待ってくれ
焦らせるなぁぁぁぁ

やっとの思いでこぢろを抱きかかえベビーカー置き場にいくと同じクラスのママさんに会った。

彼女は12月末に第2子が生まれる。お迎えの時間が滅多にあうことはなく会うのは久しぶりだった。

ちょっと立ち話。

ついつい長くなりそうに。妊婦さんだしお迎えも待っているだろうし話しを切り上げようとしたら

「ごめんなさい!ぢろりさんに久々にお会いしたからうれしくて」

こんな一言がすごくうれしくて彼女がお迎えで戻ってくるのを待ち、一緒に帰ることに。
家も近所なのだ。

10分ちょっとの道のり。

子育ての話、先日配られたクラス冊子の話…

別れ際に彼女が言ってくれたのは
「私、ぢろりさんにお会いすると元気がもらえてうれしいんです。お話してても楽しくて!今度お茶飲みにきてください」

彼女にしてみれば何気ない一言だったろう。

でもささくれだっていた私の心はこの一言に…救われた。

ちょっとした不幸はちょっとした幸せで救われる。
人生ってやっぱりどこかでちゃんと拮抗するのかもしれない。