先週駅ビルで、大学時代の恩師に偶然お会いした。
正確にいうならば…大学時代というより大学助手時代に…というべきか。
その御方はマスコミニュケーション学が専門で私の目指す方向と学問分野が異なっていたので、私は彼女の講義は一般教養の範囲でしか受けるチャンスはなく…
人気の高い講義だったので選択しなかったのだ。
彼女はテレビがまだ生放送だった時代の女子アナウンサーで…お歳を召してなお気品と女性らしさに溢れた先生だった。先生のようにきれいに歳を重ねていけたら・・・憧れの女性だった。
助手時代はとても可愛がっていただき、励ましていただき、心の支えとなる方だった。
結婚式にもきていただいた。
御自宅がダンナの実家の最寄り駅にあり、駅をはさんで南と北に位置していることは知っていた。
いつかお会いできないか…駅ビルに出かける度に考えていつのまにか2年!ついにお会いできたのだ!
少しおやつれになった感じの後ろ姿…でも間違いない!
「先生!〇〇先生ですよね?」
びっくりしたように振り返る先生。もしかしたら私のことお忘れかもしれない…
「私…大学で…」
先生は、ぱっと微笑むとおっしゃった。
「わかるわよ、あなた。だってちっとも変わらないわ!!」
…いや先生それはない(笑)
ほんの10分ほどの立ち話。お会いしなかった数年間をどう伝えたらよいのだろう…
でも出産したこと、今はまた仕事を再開したことを話すと先生は一瞬言葉を切った。
しまった!!この年代の方は1歳の子供を預けて仕事をすることには…否定的か…
先生の言葉が怖かった。
でも次の瞬間、先生の言葉をきいてちょっとびっくり、ちょっと感動
「あなた・・・仕事続けてるのね・・・そう・・・よかったわ。仕事はね、やめちゃだめよ。一生続けていきたいのなら、絶対にやめちゃだめ。少しずつでもいいから続けていくの」
せ、先生・・・・涙
私、頑張りますっ!!!!
↑
単純なワタシ
先生はちょうど1年前ご主人を亡くされたそうだ。
亡くなる前の2年間は入退院を繰り返し、先生もかなり大変だったらしい。
最近少しずつ自分の時間を持てるようになってきたのよ、と静かに微笑まれた。
今度ゆっくりお会いすることを約束してその場で別れた。
思いがけないタイミングでお会いできて、よかった・・・。