金曜日のこと。

上司がため息をついて戻ってきた。


移転に伴う現在の事務所の家賃負担について親会社と話し合いに行ってきたのだけど。


・・・なに?初手からまさかまるめこまれて帰ってきたわけじゃあるまいね。


「交渉、どうでしたか?」

「・・・それがさぁ・・・・うちが全額負担することになるかも・・・」


今の事務所は、親会社が全フロア借りていて、子会社のウチは親会社から借りている。

ウチは移転が決まり、12月早々には退去する。

で、ウチが抜けた後には、「グループ会社ではないけれど、関係のある会社」が入ってくる。

*ここでいう「グループ会社ではない」というのは連結決算に関係ないという意味


次に入ってくる会社は1月からになりそうだという話。


となると、問題になるのは12月、ウチが出ていってから次の会社が入居するまでの賃料。


どこが負担するの?


という話なんだが。

えーと・・・すでに親子間で「お前が払え」「そっちが払え」みたいな無言の戦いが始まっていたらしい。


・・・それって戦う相手が間違ってないか?


親会社をA、子会社であるウチをB、新しく入ってくる予定の会社をCとしよう。


そして、今入居している事務所の家賃が月額500万円としよう。この500万円の内訳はAが300万円、B200万円とする。AとBはグループ会社だから連結でみれば、賃料負担がグループ全体で月額500万円となる。



Bは、現状200万円の家賃負担を圧縮し月額半分することを目標に移転先を探し、賃料の安いビルが見つかった。でも、それだけではコストは下がらない。Bの後に200万円の家賃を払う別会社の入居が決まらなければグループ全体でのコスト削減にはならない。


しかし、Bが抜けた後、賃料200万円を払う別会社Cの入居が決まった。


グループ全体での賃料負担が月額で400万円になるので移転にOKが出たのだ。

しかし、Cは1月にならないと入居しないかも・・・という。


そうすると、12月のBが負担していた分の200万円を誰が払うのか?という問題が発生する。

グループ連結で考えれば、Aが負担しようがBが負担しようがコストが膨らむことは変わらない。(12月はBが移転する賃料も入るからね。*ここではフリーレントで浮く費用は無視して考えることとする)


だって、連結なんだから。

つまり、AとBの間で「お前が払え」「お前が払え」と押しつけ合うのは・・・不毛だ。


一番よいのは、AとBとタッグを組んで


うまくCを丸めこんで早めに入居させること


これが現時点でのベストの選択ではないのか?だって、連結に関係ないCに賃料を負担してもらえばAもBもコスト削減になるんだからね。


このままじゃ親子間の泥沼の争いになりかねない。笑


上司に言った。


「あのぅ・・・お互いに戦う相手が間違ってると思うんですけど・・・」


「へ?」みたいな顔をして私を見る上司。・・・頼むよ、ほんと。


前述のことを説明してみると「そうだよね」だって。


そうだよねじゃないだろ。

最初からそれくらい整理して話し合いに行けよ。

Cを丸めこむための算段を親会社と相談して帰ってきてよ。


得する+得する=お得


じゃ、ないですか。しっかりしてよ。ホント。


(注:日記に出てくる家賃金額は架空のものです。ざっくりした金額でないと私がわからなくなるので。数字は苦手です。)