昨日、約8か月ぶりに会社へいった。7月31日に仕事を終え帰宅、8月1日から切迫早産で入院・・・以来だ。

オフィスのある駅の改造工事は一向に進んでおらず、ごちゃごちゃした雰囲気も相変わらずだ。

駅から会社までの5分の道のりは8か月くらいでは何も変わらないように見えた。


奇跡的に4月からの保育園の内定がもらえたので、このタイミングを逃しては復帰は難しい。

育休を早く切り上げての復帰だった。産休に入る当時は「できるだけ早く復帰してほしい」、そう言われていたので私も早く復帰しよう、そう思っていた。

でも、社会の情勢は産休に入る当時とがらりと変わっていた。

いや、世界的な金融危機についてはすでに私が産休に入る前から懸念はされていたし、その予兆はすでに起こっていた。しかし、ここまで深刻な雇用不安に陥るとは思っていなかった。


それでも、私にとって仕事は子育てとは全く別のレベルで大切なもの。

復帰をあきらめることは考えたこともなかった。

保育園に入園できないかもしれないという不安はあり、その時はさすがに「このまま保育園が決まらなかったら復帰できない」という思いにかられた。でも、私の中で「保育園さえ決まればスムーズに復帰できる」という思いがあったのだ。


もちろん、世の中が不景気なのは知っていた。雇用不安が広がっているのも知っていた。

日本の根幹を支える製造業が大打撃を受け、そこから連鎖的に日本企業全般が苦しくなっているのも知っていた。でも、それはやはり「知っていた」にすぎない。

復職面談をしたことで、「知っている」から「実感した」に変わったのだ。


面談の開口一番


「復帰するには今は最悪なタイミングだよ」


上司は率直に言った。育児休業を切り上げて復帰するよりも、目いっぱい休んでから復帰した方がいいというアドバイスも・・・。でも、せっかく入れた保育園。4月中に復帰しなければ退園になる。

そして、今退園してしまうと二度と入れないだろう。

そうなると私の選択肢は2つ。


・最悪なタイミングでも復帰する

・4月中に転職する


どちらもスマートな選択ではないけど、0歳児を抱えてこの「ド不況」の中転職活動するのは、さすがの私にも無謀なことだという判断はつく。


「今復帰しないと保育園は退園になります。退園したら二度と入れないと思います。育休をめいっぱい使ったら今度は保育園がみつからず復帰できなくなります。」


私も率直に言う。


「うーん・・・そっか・・・」上司はうなった。私を復帰させたくないわけじゃない・・・と思いたい・・・ただ会社の状況はそれだけ厳しいのだろう。

今は、誰もがめいっぱい働いてめいっぱいのパフォーマンスを出さないと評価されない状況で、マネージャー職の私が時短を使って働いても会社としては評価は難しいということらしい。


戻ったら迷惑なのかな・・・


そんな考えが頭をよぎった。でも、辞めたくない。少なくともこんな状態で辞めるのは納得がいかない。

それに「辞めてほしい」と言われたわけじゃないし。


「保育園のことを考えたら4月復帰するしかないんだよね」

「そうです」

「それじゃ、4月復帰で。」


最終的には4月復帰ということで話がついた。

時短勤務のため年俸は約3分の2くらいになるらしい。また、時短勤務の間はマネージャーからいったん「主任扱い」になると告げられた。

時短勤務でなくなれば、無試験でマネージャーに戻してくれるという話だったが・・・


結局、「時短勤務」の枠の中ではマネージャー職に求められる職責を果たすのが難しい。

職責を果たせないなら評価は当然下がる。しかし「時短」という事情があるから「一生懸命やっているのに評価がさがるのはかわいそう」「ならば主任扱いにして職責を軽減し、それにみあった成果を出せば評価は下がらない」という主旨のようだ。(と、私は理解した)


脳天気な考え方かもしれないが、それは会社側が私に対して配慮してくれた・・・のだと思う。


そして、やはりというか当然というか、広報・IRの業務には戻れなかった。


私自身、なんとなくそれは覚悟していた。時短の枠の中で弊社の広報・IRを担当するのは無理がある。と。

それが正しいとか正しくないとかではなく、残業をしたり時には休日出勤をしなければこなせないだけの仕事量があるのが『現実』なのだ。


頭でも理性でも十分理解している。

そして、自分でも未体験の育児と仕事の両立。私自身、内心は「以前のように広報・IR業務をさばくのは無理かもしれない」と感じていた。不安だった。

だから、復帰後別の仕事をすることになるのは・・・結果としてよかったのかもしれない。


未練はある。

まだまだやりたかったこともあった。

会社案内も、コーポレートWebも、社内報も・・・みんな私が1からやったんだ。


そんな思いがこみあげる。


でも、しかたない。


これは私自身が再評価されるチャンスだ。

新しい仕事を、新しい上司のもとで頑張ろう。

謙虚な気持ちで。


今はそう自分に言い聞かせている。