今回は左下第2小臼歯の欠損に対して、健全な第1小臼歯を削らずにブリッジ治療を行ったケースをご紹介いたします。

 

【術前】

 

 

初診時、左下5番目の歯が差し歯がずいぶん前に外れて根だけの状態になっています。

根は内部が虫歯になっています。

レントゲン検査の結果、長さも短く残念ながら保存不可能で抜歯となりました。

患者さんとの相談の結果、ブリッジで治療することになりました。

 

通常のブリッジの設計では両隣の歯を削り、3本分つながった被せ物を作製することになります。

下のイラストが治療イメージです。被せ物にするためにはどうしても一定量歯を削る必要があります。

 

【通常のブリッジ治療】

 

 

しかし今回は

 

①抜歯後にできる隙間が狭いこと

②手前の4番目の歯が虫歯もない健全な状態だった

 

ので、ブリッジのために4番目を削ることは、歯の寿命を不用意に縮めてしまうと考えられました。

 

そこで4番目の歯は全く触らず、6番目の歯のみ被せる形に整え2本分のブリッジで対応することにしました。

 

今回のように条件が合えばこのような対応が可能です。※保険適応外となります。

 

【術後】

 

 

 

 

ジルコニアセラミックの片側性ブリッジで治療を行いました。(自費治療 220,000円)

 

歯科技工士の高い技術のおかげで色、形ともに天然歯になじんだ仕上がりとなりました。

 

装着から1年半ほど経過しており、経過は良好です。

 

※症例写真の掲載については患者様の許可をいただいております。

神経に達する深い虫歯でも、神経を残せる治療法があります。

ポイントは歯髄(歯の神経)の感染度を見極めることにあります。

残せる(確率の高い)神経に対して、適切に処置を行えば成功率は高いことがわかっています。

そのためにはマイクロスコープを応用した拡大視野による観察が有効です。

 

30代男性の左上の2番目の歯に対して、むし歯の除去、マイクロスコープ最大倍率での歯髄の観察、MTAによる覆髄の一連の流れを動画にしましたので宜しければご参考にしてください。

 

動画は2倍速に編集しています。

動画の公開に関しては患者さんの許可をいただいております。

 

 

 

歯と歯の間(隣接面)はむし歯になりやすい場所の一つです。

ここがむし歯になった場合の治療法としては、むし歯の大きさにもよりますが「レジン充填」もしくは「インレー修復」という選択肢があります。

 

「レジン充填」はむし歯を取った穴に直接プラスチックを詰めて治す方法、「インレー修復」は型取りをして次回詰め物を接着剤でつける方法です。

 

インレー修復は型取りをする関係上、レジン充填よりも歯を削る量が多くなる(健康な部分もある程度削る必要があります。)のがデメリットです。

また、保険治療の場合はインレーは金属材料になるため見た目も自然でない、あるいは金属アレルギーという問題もあります。

 

レジン充填はインレー修復に比べて歯を削る量が少ない、治療回数が少ない、見た目が自然という利点がありますので、可能な限りレジン充填を行うようにしています。

 

レジン充填のデメリットとしては、口の中で直接プラスチックを成形していくので治療時間がかかることと、歯科医師がすべて行うため(インレー修復の場合は歯科技工士さんが歯を作ってくれます)仕上がり、品質が歯科医師の技術に左右されるということです。

 

今回、マイクロスコープを応用したむし歯治療を動画にしてみましたので、よろしければご覧ください。

 

 

 

患者さんは20代の男性です。左上の4番目の歯の手前側に虫歯による穴が空いています。

痛み等の自覚症状はありませんでした。

むし歯を取っていくと手前の歯(3番目の歯の奥側)も虫歯になっていました。

これが隣接面カリエス(歯と歯の間のむし歯)の特徴です。

片側が虫歯になっていない場合や、穴が開くに至っていない場合は様子を見ることもありますが、今回は実質欠損がありましたので同時に治療をしました。

 

※動画の公開については患者さんの同意を得ております。

2020年12月29日から2021年1月4日まで休診となります。

 

新年は1月5日(火曜日)より診療を行います。

 

よろしくお願いいたします。

 

 

埼玉県ご開業の青島徹児先生の形成セミナーを受講してきました。

詰め物、被せ物の治療で歯の形を整えることを「形成」と言います。

青島先生はダイレクトレストレーション(虫歯治療で口の中で直接レジンを詰めて歯の形を回復する治療)でも世界的に評価されています。

ダイレクトのセミナーやハンズオンも多く行っておられますが、今回はレジンの充填法でなく形成に焦点を絞った講演でした。

約5時間の講演でスライドを600枚(!)用意されたとの事で、たくさんの症例を見せていただきました。

 

今回一番聞きたかったparametric preparationに関してもデモも交えながら教えていただきました。

parametric preparation とは、従来のクラウン(全体的にかぶせる治療)形成とは異なり、なるべく変曲点より上にマージンを設定する方法です。(隣接面はコンタクトを抜く関係上、変曲点より下になります)

このコンセプトで形成された歯はパッと見の特徴としては超縁上マージンで形成軸面の高さがほとんどない状態になります。

なぜこのような形成かというと、咬み合わせた時に歯にかかる力が変曲点より上は圧縮応力、下では引張応力になることが理由です。

従来の歯肉縁付近のマージン設定だとマージン付近には引張応力がかかるためエナメル質が剥離したり、接着剤が取れたりするような力となります。

変曲点より上であれば圧縮応力なので歯の強度が保てるというわけです。

 

結論としては簡単には真似できない方法であると思いました。

形成自体は似たようにはできるかもしれませんが、プロビジョナル(仮歯)の仮着方法やセラミックスの接着法(温めるとトロトロになるコンポジットレジンでつけているそうです)、接着の際の防湿や歯面処理など一連の流れをトータルでしっかり行わないと成立しない治療だと思います。

しかしこれらが適切に行えればエナメル質を最大限に残せる、素晴らしい方法だと思います。

 

レジン充填の際のベベルをつけるかどうかの基準や、ベベルの付け方等も非常に勉強になりました。

 

形成した歯は被せてしまえば基本的に見えなくなりますので、患者さんの目に触れることは通常ありません。

ですが、適切に形成されたかどうかでその歯がどれだけ持つかに確実に影響してきます。

今回、青島先生が実際に治療したケースの模型をいくつかお持ちだったのですが、ものすごく綺麗な形成でした。

青島先生のようにはいきませんが、見られても恥ずかしくない形成を心掛けていきたいです。