ブログを書く指が止まるから、震災のニュースは積極的に見ないようにしてたが、つい見てしまい、また考え込む。

ニュースで見たのは、自閉症の小学生の息子を抱えての避難所暮らしは、周りの迷惑になるからと崩れかけた自宅に留まってる母親のインタビューだった。

これが、3歳ぐらいの男の子なら、迷わずに避難所に行くんだろうけど、自閉症ならば行けない気持ちも分かるが、その母親はインタビューを受けながら泣いていた。

見てて本当に切ない。可愛くて仕方ないはずの息子を自信を持って育てていけてないのかも知れない。

もしかしたら、無責任で残酷な意見かも知れないけど、産んだのを後悔すらしてるかも知れない。

もし、そんな考えが浮かんだならば、そんな考えをさせてしまう、今の社会が本当に悲しい。

見た目は小学校高学年だが、中身は3歳ぐらいなので、避難所に行っても、なんとかなりそうだと思ってしまうが、やはり見た目が3歳児じゃないと、他の人からの対応が厳しいのだなと思った。

もう一人、知的障害の息子を2人育ててる母親もインタビューを受けてたが、その人も、息子が避難所でいろいろなモノを触りまくるので、

「障害を持ってるのは分かるが、他の人に迷惑にならないように、ちゃんと見とかな駄目や!」

そう言われてショックだったと、この母親も泣いていた。

見た目が大人なだけで、中身は幼い子供なのに、こんなにも苦しまねばならんのか…

ルッキズムとは、外見の良し悪しだけではなくて、こんなところにも重要視されてるのか…

他人の母親の涙と言えど、母親の涙を見るのは本当に辛い。

しかし、これは結局は他人の意見であり、自分の身の周りに、知的障害の人がいたら、どう接したらいいか分からないのが現実だ。


俺の小学校にも、養護学級のような学級があった記憶がある。鼻水垂らした男の子をみんながイジってるような記憶はあるが、俺は参加してなかったと思う。参加してたら記憶にハッキリと残ってるはずだから。

そのイジメに俺が参加してなかった事を、今更ながら心から願う。

しかし、人は見た目が普通の人と違うと、それによって態度を変える残酷な生き物だとも思う。

俺がもし、今の姿が可愛い女の子ならば、名前は「マロニー」に命名して、間違いなく顔出しで、TikTokで踊りまくってると思う。料理を作りながら、ドジっ子を演出しつつTikTokライブしたり「スッピンだから見ないで!」と言いながら、しっかり薄化粧して、わざとらしくカメラ前で恥ずかしがってるだろう。

土曜日の夜やクリスマスイブなどのイベント日には、隣の部屋に彼氏を待たせつつ、TikTokライブではフォロワーにはロンリーアピールしながら「あなただけの、マロニーちゃん!」と、ほろよいの梅酒ソーダを飲みながら、パジャマ姿で頬を赤らめてるだろう。

もちろん、全てのSNSには欲しい物リストは貼り付けて、どんな時もプレゼントの受付けは万全。

こうすれば間違いなく、ある程度のフォロワーは集まるだろうし、小銭は稼ぐことは出来る。ルックスが可愛い女の子というのが最低条件だが。

ルッキズム全盛期の今ならば、可愛くて若い女の子がまさに最強なのだ。

しかし、ネットを見てたら「私は若くて可愛いから、年収4000万ぐらいの人と結婚したいし、出来るはず。どうすればいいか?」という質問に、投資家を名乗る人が、

「年収4000万ならば、この先もいろいろと投資して資産的には右肩上がりだろうが、あなはの資産が若さと美貌だけならば、この先、年老いて右肩下がりで落ちて行く一方なので、資産的に釣り合わない」

確か、こんなような事が投稿されてたと思う。

「時間と共に衰える」

ここが、ルッキズムという外見至上主義の問題だ。

だから、人の魅力とは時間と共に衰えないモノを身に着けて磨くしかないのだ。

それは教養であったり、品性であったり、人としての優しさとかもあると思う。

だから、避難所に素直に行けなくて泣いてる、知的障害の息子を持ってるお母さん、あなたの涙は本当に報われてほしいと思う。

今まで、どれほどの苦労を乗り越えて、息子を育てて来たのか、俺には簡単には想像も出来ないが、あなたの苦労した末の優しい涙は決して色褪せないモノだと思います。

誰のお母さんでも、母親の涙を見るのは、本当に辛い。


だから、泣かないで。


被災地の全ての人が、泣かずにすむ未来が早く来ることを祈ってます。