ようやく梅雨が明けたような晴れの日が昨日、今日と2日続いている。このまま梅雨が明ければいいが、明ければ明たで猛暑の日がやってくるのは嫌だ。
今日は朝から青空だ。朝のうちはまだ涼しいが、日が高く上るにつれて暑くなるのかもしれない。さて、今日の最終目的地は青梅の塩船観音だ。埼玉に引っ越してきてからいつか行ってみたいと思っていたところだ。地図を調べてみると自宅からそんなに遠くない。24~25キロだ。なので、ただ県道や都道を走って行ってもつまらないので、山の中のサイクリングロードや宗教施設の敷地内の静かな道を走って行ってみることにした。山の中の森や林に囲まれた道はクマが出そうでちょっと心配だが、まあ大丈夫だろう。クマと遭遇しそうな時間帯は早朝と日暮れ時らしいから。念のため用意してきたクマよけ鈴を二つ自転車につけるつもりだ。
入間川の豊水橋だ。この橋を渡る。
川面が光っている。今日の空は自転車で走るには絶好の青空だ。ペダルをこぐのも気持ちがいい。多少暑くても青空の下を走るのはいい。
豊水橋を渡り県道195号をしばらく進み、西武池袋線の仏子駅の先の踏切を超えてから県道を離れ、武蔵野音楽大学のほうへ向かう。
武蔵野音楽大学と書かれた看板のある道の方へ坂を下っていく。
音楽大学の正門を過ぎると道は上りに変わる。その上りがきつい。10%を超える勾配も現れる。どこまでつづくのか。自転車を押して行こうかどうしようか。いいかげんうんざりした頃ようやく登り切った。
上りきったところからいよいよ右手の山の中のサイクリングロードへ入っていく。細い道だが舗装はされているので走りやすい。
多少のアップダウンはあるが、実に気持ちのいい道だ。サドルに取り付けた二つのクマよけ鈴の音色がしんとした山の中に響く。鬱蒼とした森や林の中からいつクマが出て来はしないかとちょっとドキドキしていたが、あらわれたのは幾人ものみみ爺と同じくらいの年と思われる年配の散歩者たちだった。
「この辺はクマは出ないんですか」
自転車を止めて尋ねてみた。
「クマよけ鈴を二つもぶら下げてるのかい。ここはクマは出ないよ」
と、にこにこ笑っている。
「そうですか。ありがとうございます」
クマよけ鈴は必要がなさそうだ。走りだすと後ろで楽しそうに笑う声が聞こえる。でもみみ爺はその先も用心のため鈴はつけたまま走った。
距離はせいぜい1キロか2キロほどだが森や林の中をくねくねと続く道は、静かで走り安くとても楽しい。今のところクマの心配もなさそうだし。
桜山展望台だ。
展望台からの眺めだ。空気がもっと澄んでいれば富士山も見ることができるらしい。
こちらが飯能の方角のようだ。
展望台を後にさらに道を進むと、急な下り坂の先に家々の屋根が見えてきた。
県道63号豊岡街道に出た。
豊岡街道をそれて裏道へ入る。八高線の小さな踏切に出た。
踏切を超えてさらに裏道をつないでしばらく走って行き、千体地蔵塔がある木蓮寺というお寺へ寄ることにした。
これが千体地蔵塔だ。やはり見に来てよかった。素晴らしいね。たくさんの地蔵の祈りの迫力がこちらへ押し寄せてくるようだよ。
豊岡街道から山根通りへ。
山根通りから都道44号岩蔵街道へ進み、笹仁田峠手前の「立正佼成会青梅練成道場」と書かれた門の中へ。
こんな道が続く。車は来ない静かな道だよ。いいね、この道も。
もう少し走りたかったが左手にグランドがあるところでこの道は終わった。ゲートを出て坂を下り再び山根通りへ出る。塩船観音まではもうすぐだ。
今日の目的地の塩船観音に着いたよ。これが仁王門だ。重量感のある茅葺屋根が素晴らしい。国指定重要文化財だそうだ。
左右の金剛力士像は東京都の指定有形文化財ということだ。
自転車を押して境内の中へ。
こちらもやはり国指定重要文化財の阿弥陀堂だ。たたずまいがとても物静かな感じでいい。室町時代のものらしい。
石段の左右に大きな杉の木がある。高さはおよそ40メートル。樹齢は900年を超えているそうだ。夫婦杉(めおとすぎ)と呼ばれている。圧倒される高さだ。
自転車と一緒なので石段は上れない。左の道を行く。
広い場所に出た。護摩堂の前だ。護摩堂の横は寺務所だ。いろいろな行事はこの広場で行われるのかもしれない。
護摩堂の屋根の向こうに塩船平和観音の大きな姿が見える。
本堂だ。奥多摩の虎葺きと呼ばれる茅葺に杉皮を葺きこんだ独特の屋根をもつ。秘仏の御本尊十一面千手千眼観自在菩薩立像が納められているそうだ。秘仏のため普段は見ることができない。一年に4回だけ見ることができるそうだ。
本堂の近くにある茅葺屋根の鐘楼の鐘は寛永18年に鋳造されたそうで青梅市有形文化財となっている。現在は鐘を撞くことは出来ない。
塩船平和観音のそばまで行ってみよう。
平和観音へ行く表参道の入り口から坂を上っていくとすぐ鐘楼がある。招福の鐘だ。鐘を撞く人に幸福がもたらされるようにと建立されたもので、大晦日には除夜の鐘を撞こうとする人々の行列ができるそうだ。
境内を高いところから見ると、護摩堂とその前の広場を囲む周囲の山の斜面には、よく手入れされたつつじがびっしりと植えられている。つつじの咲く時期には大勢の参拝客でにぎわうそうだ。
塩船平和観音だ。境内を取り囲むつつじ園の山頂から境内を見渡すように立っている大観音像だ。13メートルもの高さがあるそうだ。
さて、塩船観音を後にして、都道194号へ出て、それほど遠くない場所に、こちらもかなり立派な古刹の天寧寺というお寺があるというので行ってみることにした。
天寧寺へ行くには都道194号から天寧寺坂通りを行くほうが楽だそうだが、みみ爺はあえて光明寺というお寺の横の道を行ってみることにした。
道は緩やかな上り坂で、やがて杉林に囲まれた薄暗い道に変わり、しまいには舗装も怪しい路面に変わった。熊という文字が頭をよぎる。二つ付けたクマよけ鈴がうるさいほど鳴っている。まるで林道のような感じの道だ。
東京都水道局の施設の横を通り、坂を上りきって、かなり荒れたがたがた道を下っていくと、やがて青梅ゴルフ場の門の前の広い舗装道路に出てほっとした。
ゴルフ場の門を背に坂を下っていき天寧寺坂通りへ出ると、天寧寺はもうすぐだ。
参道に入ると六地蔵が出迎えてくれた。
天寧寺総門だ。
自転車を押して行くとやがて立派な古刹の山門の前に出た。
山門に向かって右に増長天、左に多聞天。
天寧寺とは曹洞宗のお寺だ。正式には梅華林高峯山天寧寺というそうだ。もともとこの地には平将門の創建による真言宗高峯寺があったが、その後平将門の乱で高峯寺は焼き討ちされ廃寺となった。室町時代になってこの地の名主で将門の子孫と称する三田氏宗という人物が僧侶を招き、曹洞宗天寧寺を創建したという。天寧寺の山号が「梅華林高峯山」というのも将門を尊敬し尊重してのことなのだろうといわれる。歴史のある古刹だ。
入母屋造りの鐘楼がある。鐘は南北朝後期に造られたものだという。
法堂に進む中雀門。
そしてこちらが天寧寺の中心である法堂だ。
法堂とは、いわゆる本堂のことなのだろう。多少意味は違うのだろうが。みみ爺にはその辺がよくわからない。
いずれにしても立派な古刹だった。寄り道してよかった。
天寧寺を出て帰路に就く。天寧寺坂通りから厚沢通りという道へ入っていく。
車も来ない。静かな道だ。しばらく坂を下って行くとやがて道は小布市川という小さな川に沿う。
厚沢通りに入ってからは道はずっと下りで、顔と体に当たる風がとても気持ちがよかった。3キロほど風を受けて走ったがのどが渇いた。水を飲もうとボトルケージのペットボトルに手をかけたら水がすっかりお湯になっていた。日差しが強い。夏の入り口だからだ。
自動販売機を見つけたのでキンキンに冷えたスポーツドリンクを買って一気に飲んだ。うまい!
道は都道44号線を横切って日影林通りという道を行き、そして都道28号小曽木街道からさらに埼玉県道195号へ進むと間もなく左手に岩井堂観音という看板が目に止まった。
自転車をとめたところに下へ降りていく細く急な石段があった。石段の左右には真っ赤なのぼり旗が下まで続いていた。さあ降りておいでと誘っているようだ。
やがて下まで行きつくと目の前は成木川の流れを真下に見下ろす崖の上だ。
おやおや、こんなところを進むのか。濡れた岩と急な斜面だ。なんだか恐ろしげな道だよ。崖の下はすぐ川面だ。いったいどんな秘仏に出会えるのか。ちょっと期待が膨らむ。
どうやらここがお堂のようだ。
中を覗くと観音様の写真が飾られているだけだった。奥多摩霊場八十八札所という貼り紙も見られる。
派手な赤いのぼり旗と急な石段、それになんとも恐ろしげで危なっかしい道みち、勝手に想像していたのとは違い、まさかの観音様の写真だけだった。ちょっと拍子抜けがした気分だ。実物の観音様ではなかったのだ。
後日みみ爺に解かったことだが、浅草の浅草寺のご本尊の観音様がここの観音様ではなかったか、という説があるということだ。
いま来た危なっかしい道を引き返すのが何となく気が進まないが仕方がない。足を滑らせないように慎重に足を運ぶ。つまずいたら崖下の川ヘドブンかも。
ようやく先ほどの石段の下まで戻ってきた。今日の旅の最後はこの急な石段だ。頑張って上までのぼろう。暑い中お疲れさん、みみ爺。知らない道を走るのは本当に楽しいね。
(途中画像が縦にならず横向きのままで見苦しかったこと、申し訳ありません。アメーバブログには画像を縦向きに直す機能が無いようでした)
























































