出張途中で一番よさそうなミュンヘンに。この程度ならパリでもよかったが、ドイツ好きの上司が喜びそうだったので。ニーナ・シュテンメも出るし、何と言ってもマッティ・サルミネンが出るのでこちらに来た。
不安材料は演出のコンヴィンチュニー。何かやらかすだろうと思っていたら飛んでもないことを。立見席だったのでどういう流れか全部わかったわけではないが、舞台はフィットネスクラブみたいな2幕を除いてオーソドックス。多分エルザ(だっけ?)は偏執狂にオランダ人に恋をしていて、彼が誰だかわかった上で結婚するつもりだったのだろう。オランダ人が自分の正体を明かすと、高笑いした上でダイナマイトに火をつける。その後、大爆発が起こりオーケストラは停止。小さい録音でフィナーレが聞こえてくる。何てことをしてくれるのか。ワーグナー好きからフィナーレを取るなんて。
多分そのフラストレーションがわかった上でやってるんだろう。よく考えればこんな都合のいい恋愛話があるわけはない。オーソドックスな一幕からフィットネスクラブの二幕に流れた時、客席にざわめきが起こったが、それもそうだ。そのフィットネスクラブでみんな自転車を漕いだりして、エルザまでフィットネスの格好をして、オランダ人の額を掲げたりしている。そんなところにオランダ人が入ってくる?元彼と言い争っているとオランダ人が入ってきて絶望して出て行こうとする?そんなばかげた話はない、救済もない、とでも言いたいのか。前に、休憩なしで一気に進むドレスデン版?は救済がない、本当は救済なんてない、なんてことを読んだが、それと同じなのだろう。
オランダ人のUから始まるやつは、端正だが線が細い。シュテンメはパワー、コントロールともに最高。サルミネンがカーテンコールまで杖をついて出てきたので心配したが、演出だけだったみたい。指揮者はよく知らない若い人だったが、この演出じゃケント・ナガノもいやだったのか。オケは若干金管が強かったような気がしたが。
とにかくフィナーレを聞けなかった分フラストレーション。音まで介入するのは止めて欲しい。