戦略的な定住人口増加策、また、住民福祉の向上に資する財源の確保策について、中長期の視点から、地域特性を活かした産業創出・育成、雇用創出にビジョンは重要となります。

 

小美玉市では、ふるさと納税の拡充による税外収入での財源確保について強化の方針が示されています。

こうした短期的な視点と並行して、10年、20年先の中長期的な視点から「茨城空港や、養鶏・酪農が盛んな地域特性を活かしたバイオマスなど、これらを活かした産業の創出・育成」による雇用創出へのビジョンを明確に打ち出すことが必要です。

また、明確なビジョンを掲げるには、産業集積・産業クラスターの形成に繋がる施策をスピード感を持って打っていかなければなりません。

 

一般的に、産業クラスターとは、地域の中堅中小企業・ベンチャー企業が大学、研究機関等の技術やノウハウを活用して、新事業が次々に生み出されるような事業環境を整備することにより、競争優位を持つ産業が核となって、ブドウの房のように産業集積が進む状態を形成し「地域の競争力向上」を図るものとされ、「地域資源の活用」、「需要」、「先進的かつ核となる企業の存在」、「関連・支援産業の存在」など、これらを融合させることが産業クラスター形成の要因とされます。

 

また、企業誘致に必要とされる要件は、進出企業に対して誘致地域が他の地域より優れた要件を兼ね備えていることと、それらの要件が提供可能であるということを明確にすること。具体的に企業が重要視する要件は、近隣に立地する関係機関との業務提携、人材の確保、資金、特に初期投資の軽減、十分なスペースの確保、法規制の緩和などに絞られ、企業誘致においては、これらの要件をどこまで充実させ提供できるかが成否を分けることとなります。

 

令和5年度からスタートの第2次総合計画後期基本計画において、「茨城空港アクセス道路の周辺地域について土地利用に関する諸計画の総合的な調整を図りつつ、企業ニーズに即した優遇措置の拡大を行い積極的に企業誘致を推進するとともに、茨城空港テクノパークについては土地利用計画・周辺住民・周辺環境に配慮しつつ、県などの関係機関と連携しながら企業側が求める優遇措置の具体化や相談支援体制を強化することなどにより積極的な企業誘致を推進。また、カーボンニュートラルについて地域循環型のエネルギーシステムの構築に向け、ごみの焼却熱を利用するサーマルリサイクルを推進し電力の地産地消を進めるとともに、地域のバイオマスを活用した産業創出など地域活性化について検討を進めていく」と明記されているところです。

 

そうした中、令和4年3月に市では待ち望んでいた航空関連企業(朝日航洋株式会社)からの進出表明を受け、茨城空港隣接地への「ヘリコプター整備事業所」開設に向け庁内に誘致推進プロジェクトチームを設置し、早期進出に向け支援しており、ヘリコプター整備事業所の開設に伴い、進出企業による定住人口の増加並びに税収の確保等が期待されるところです。

正面に茨城空港ターミナルビル

茨城空港アクセス道路は全線開通しています

 

茨城空港 離発着のスカイマークエアライン

 

茨城空港に初のビジネスジェット R6年5月25日

 

 

 

 

平成24年7月 札幌丘珠空港(陸上自衛隊との共用空港)視察の際、丘珠空港施設関係者に「茨城空港に航空関連企業を誘致するには民間機離発着滑走路に面した場所に整備格納庫ができればよいのだが」と話している様子

 

朝日航洋株式会社ヘリメンテナンスセンター候補予定地を視察

 

 

 

カーボンニュートラルについては、令和4年12月21日締結の「ゼロカーボンシティに向けたエネルギー地産地消に関する包括連携協定」に基づき、令和5年度より、霞台厚生施設組合構成4市町に「霞台クリーンセンターみらい」から非バイオマス分の余剰電力(約738万kWh/年間3,260tの二酸化炭素削減効果を見込む)の供給が開始されています。

霞台厚生施設組合(石岡市・小美玉市・かすみがうら市・茨城町)

霞台クリーンセンターみらい

蒸気タービン発電機

R4年12月13日 総務常任委員会

 

 

こうした動向から、令和5年度策定の地球温暖化対策実行計画事務事業編に続き、脱炭素先行地域づくり支援事業へと繋げるべく、令和6年度からの地球温暖化対策実行計画区域施策編の早期策定が求められるところです。

 

これらを踏まえ、茨城空港や酪農・養鶏が盛んであるといった地域特性を活かし、中長期の視点から、産業集積・産業クラスターの形成を見据えた明確なビジョンを示すことが重要となります。

 

 

 

 

R5年5月18日 福岡県みやま市と大木町のバイオマス施設を日帰り(自費)で視察

1か所目は、みやま市バイオマスセンター「ルフラン」は学校跡地に建設、バイオマスプラントは校庭に建てられています。
校舎は、レストランや研修室等に利活用されています。
 
生ごみの収集車
 
 
2か所目、福岡県大木町 おおき循環センター「くるるん」は、道の駅と併設のバイオマスセンターです。
 
液肥を見せていただきました。
道の駅入り口から、バイオマスプラントが見えます。