※ 画像はフィルマークスからお借りしました

 

 

 

 

『私の哀しき死者たち』

 

2026年/アルゼンチン、チリ 50分(全4話)

 

原題/My Sad Dead

 

原作/マリアーナ・エンリケス

 

監督/パブロ・ラライン

 

 

 

 

死者が見える女性が主人公との事で、オカルトめいたものを期待して見たのですが、……なんとも言えないドラマでした。

 

舞台はアルゼンチン、ブエノスアイレスなのかな?

 

スラムに住む人々に視点を当てたドラマで、主人公のエマ(50~60代ぐらい?)は元医師で、死者を見る事ができる。

 

その死者の姿というのが、亡くなった時の姿そのままで、たとえば撃たれて亡くなった人は全身傷だらけだし、高所から落下して柵に串刺しになった人は、そこから動けずにいる。

 

けれど綺麗な姿の死者もいて、法則性がいまいち分からない。死者本人の自覚なのかな?

 

 

 

エマのもとに姪のジュリーが訪れ、その後、銃を持った男達によって、空き地でSNS用の撮影をしていた10代の少女3人が殺される。そしてジュリーは失踪した。

 

以降、街の人たちは死者を目にするようになる。

 

姪の死、街の人々の死、給水塔、街の人たちが死者を目にするようになった理由。

 

全4話でこの要素が繋がり、原因が分かると「う……」となってしまいます。

 

でもなんというか、エマは生きている人にするように死者に話しかけるし、アルゼンチン、チリの映画との事ですが、死生観が日本とは違っていて興味深かったです。

 

日本では亡くなったあとは荼毘に付され、生者と死者は明確に世界を分けられる感じがします。

 

そして街中で銃撃されたり、強盗に遭って殺されるという事が、南米よりは少なく、普通の人は「死」をあまり身近なものとして捉えていないように感じます。

 

でもアルゼンチンのスラムにいれば、日常的に命に関わる想いをするでしょうし、死は日常の側にあるという考えを教えられるドラマに思えました。

 

日本の仏教では、49日を経て成仏するという考えですけれど、南米の場合はキリスト教かと思いますが、どのような考えになっているんでしょうかね。

 

リアルの幽霊事情でも、よく海外の幽霊はとてもアグレッシブで、オカルト特集のバラエティでも、監視カメラが勝手に動き回る椅子とか、それに怯える女性とかをバッチリ映していたのを覚えていますし、歩いている男性の足を掴んで引きずる……とかもありますし。

 

日本の幽霊でそういう事をするのって、あんまり聞きませんよね。

 

いざという時に、守護霊が引っ張って助けてくれた、とかの逸話は聞きますが、そこまで大暴れしている印象は少ない気がします。

 

そういう意味で、幽霊屋敷と呼ばれている場所では怪異は常にあるのでしょうし、日本で暮らすよりもっと死者が側にいるように感じるんだろうな、と思います。

 

ドラマのストーリー的には、凄く大きな起承転結があって、ハラハラドキドキとかはなく、本当にただエマが死者たちに自然に接し、どうする事もできないけれど、普通の人にするように話し、励ましたりする感じでした。

 

ネタバレをしても大して意味がなく、この死生観や雰囲気を味わうのがこの作品の最も重要な部分なのかと思います。

 

 

 

2026年10月1日(木)