「遊園地のチケット貰ったんやけど

一緒に連れてったってもええで?」



貰ったなんて真っ赤な嘘。

ほんまは一緒に出かける口実が欲しかっただけやった。

やけど素直には言えなくて。



「ねぇ、見て見て?この乗り物ヤバくない?

えっ、これとこれも乗りたいー!

ポップコーンも買いたいし!

椋雅何味にする?」



「いくらなんでもはしゃぎすぎやろ!笑」



キラキラした笑顔を浮かべて

子供みたいにはしゃぐ彼女。



一緒に撮ろって、手を伸ばしてインカメラに

映る二人。

顔の近さに思わずドキッとした。



小さい頃から一緒におって

彼女にとってはきっとただの幼馴染。

けど俺の気持ちは違っとって。

今更自分の気持ちなんてそう簡単に口にできるはずもなかった。



ピコン。

突然なった彼女の通知音。



「あっ、龍臣からだ!」



龍臣は俺が仲ようしてる後輩で。



「そんなLINEするほどなかよかったんやっけ?」



「最近ねー!よく連絡きて。

あの子素直で人懐こくてほんと可愛いよね!

来週買い物付き合って欲しいって言われてて。」



嬉しそうに話す彼女。その笑顔に心が騒つく。



……。」



「椋雅?」



「それ行く気なん?

お前それはちょっとチョロない?

可愛い年下の男にチヤホヤされたら誰でもええ

みたいやん?」



「誰でもって

別にそんな事言ってないし!」



「その割には随分嬉しそうに見えるけど?

それともあれや?

興味もないのに思わせぶりな態度取る

ってこと?そんな女最低やん。」



「ねぇ、さっきからな何の?

そもそも関係ない椋雅にそんな事、言われたくない。」



関係ない

その言葉がやたらと心に突き刺さる。



「それやったら龍臣と付き合ったらええやん!

お前みたいな女、相手にしてくれる物好きなんて

そうはおらんやろし。」



絶対言い過ぎ。

そんな事分かっとるのに止められなくて。

さっきまでの笑顔はいつの間にか消えていた。



「最低!来なきゃよかった。帰る!!」



「ちょ、、待てって。」



そう言って腕を掴んだけど振り払って

俺の前から居なくなった。



最低や。

その場にしゃがみ込むと頭をグシャとかく。



俺は何してんねや。

ほんまにただのヤキモチ。

彼女は何も悪くない。

せっかく楽しかったはずやのに台無しにしたんは

俺や



辺りは日もすっかり暮れかけて

さっきまでの混雑が嘘みたいに人もまばらになった園内。



彼女がまだ近くにおるような気がして

慌てて立ち上がると走って探し回った。


でもなんぼ探しても見つからんくて。



ほんまに帰ったんかな

そう思った矢先目に入ってきたライトアップされたメリーゴーランド。



あとで絶対一緒に乗ろうと約束して場所やった。


その横のベンチ。

ちょこんと腰掛けた彼女がおって。

思わず肩を撫で下ろした。



「こんなとこにおったん?」



目が合うと涙目で。鼻を赤アクしてて。



「泣いとったん?」



……。」



「そのっ、、、さっきはごめん。意地悪言って。

お前が、、、お前がさ

俺の知らんとこで他の男と仲ようしてるのが嫌やってん。」



どういう意味?」



「どういうって


あーーぁ!!だから!!

やっ、、ヤキモチ!!嫉妬!!!

おっ、お前のことが好きやから。


好き……やから。」



思わず出た大きな声。

彼女は目を丸くして驚いていて。



……嘘だっ。」



「はっ?嘘ちゃうし!」

 


「誰が?」



「いやっ、俺が!」



「誰に?」



「やからお前に!

こんな大事なこと嘘なんて付くわけないやん!

お前はどうなん?俺は友達なん?

それともやっぱり……龍臣のほうがええんか?」



張り詰めた空気感。

心臓の音だけがアホみたいに大きくなり

鳴り響いてた。


そんな中



「もぅ、バカ!鈍感!!

私の気持ちなんてやっぱり何もわかってない!」



「んっ?えっ?」



顔を上げると彼女は泣きながら笑ってて。



「好きな人とじゃなきゃ

二人で遊園地なんて来ないよ。

椋雅こそもぅいい加減気づいてよ?

それに私は初めから友達だなんて思ったこと

ないよ?」



「えっ?それって



「私も椋雅のことが好きっ。

好きなんキャ!」



言い終わる前に思わず手を伸ばしてた。

嬉しくて、、たまらなく嬉しくて。


ギュッて力一杯抱きしめると彼女も

抱きしめ返してくれて。

その感覚が背中越しに温もりとなって伝わる。



「もぅ最後まで言わせてよ。笑」



「ごめん。もう無理やって。」



「フフっ笑 あったかいね。

嬉しぃな。幸せだねっ!」



「ほんまにヤバい。俺今嬉しくて泣きそうや。

これからは友達としてじゃなくて

彼女として、ずっと一緒におってくれる?」



「うん!椋雅がもうやだって言っても

ぜーーったい離れない!!笑」



「何やねんそれ!笑

そんなん望むとこやで!笑」



込み上げてくるものを必死にこらえて

気づくと2人で笑い合てた。

 

散々遠回りしてやっと伝わった想い。

幸せの意味、生まれて初めて知ったような

気がしたんや






〜あとがき〜



インスタのストーリーで

ちょこちょこ椋雅ストーリーは

書かせてもらってるんですけど、

なんせ、ラブラブ過ぎるな大好き溢れた

ストーリー笑い泣きアセアセ



会いたいのに会えない…

もどかしさに胸いっぱいで想いが溢れて…

みたいなそのまんま

タイと日本でなかなか会えない

今のわたしの心境を描きがちったので

ここでは久々に

椋雅目線ストーリー書いてましたキラキラキラキラ



ヤキモチ妬いちゃうとか

可愛すぎる世界線に

クラクラニヤけてしまうチューラブラブ



ちゃっかりメンバーの

龍臣も出演です笑