せっかく楽しかったのに…




最近の中で間違いなく一番笑って

久しぶりに臣とゆっくり過ごせて




敷居の高いお店ではあったけど

美味しい食事に

美味しいワイン…




すごくすごく楽しかったし

幸せだった




こんな穏やかな時間が

ずっと続けばいいのに…

とすら思った




でもそんな気持ちも

一瞬で奪われていく…




ちゃんと話したいと思っていたのに

結局またケンカ




考えれば考えるほど悲しくなった




それに莉央さんと別れたって

どう言う事?




お前には関係ない




これ以上踏み込んでくるなと

そう言われてシャッターを

降ろされた気がした




この事じゃないなら

何の話があったんだろう…




そんなモヤッとした

感覚だけが残る





もうこうなると臣の考えてることなんて

全然分からなくて




ただただ

遠くに感じたんだ…









数日後…




夕日が差し込み赤く染まった部屋




一本の電話が入った




『はい、はい!!


えっ、、、?

そうなん、、ですか。


いえ、大丈夫…です!!

行けます…


それではまたその時に

失礼いたいます。』




ピッとボタンを切ると

思わず漏れた小さなため息…




顔を上げて視線を移した先には

ポツンと飾られたカレンダー




日にちを目で一つずつ追いかけた




『来週…かぁ…』




当初の予定では

出発まで3週間近くあった




だけどそれが…




スケジュールが前倒しになって

予定より早く招集されたのだ




来週って…




YESとすぐに言ったものの

戸惑いを隠せない




行きたくない訳じゃない




楽しみでもあった

はずなのに…




ワクワクより明らかに

戸惑いの方が大きい




その理由は臣しかいない




どうしょ…




振り返らないって決めたのに




心に生まれる葛藤



あの日以来臣と

話せてもいない




だけど…














今にも漏れ出しそうな

ため息ごと飲み込んで

目を瞑り頭をクシャクシャとかくと




"よし!!"




軽く握った拳




振り払うみたいに

気持ちを固める




戸惑いなんて丸ごとバックに詰め込んで

出発の用意を始めたんだ







数日後

 がんちゃんから久しぶりに

電話が掛かってきた



愛「もしもし?電話なんて珍しいね!!

     どうしたの??」



剛典「今日早く仕事終わったんだけど

       ちょっとだけそっちいっても平気?」



愛「えっ?うん、、散らかってるけど

     それでも良ければ…」



剛典「全然平気!!

        ちょっと話もあって!!」



愛「分かった!!じゃあ待ってるね!!」




そう言って電話を切った…