…side広臣



臣「ほらっ、そんなモタモタしてたら
      終わんねーよ?」


愛「ごめんなさぃ…
      私ここやっておくから
      もう登坂くんは帰ってくれてもいいよ?」


臣「あのさ、俺だって飼育委員なわけ!
      誰か1人だけがやるのはおかしいだろ?」


愛「ありがとう…」
 

臣「あっ?声ちっさ!

      お前さなんでそんな感じなの?
      面白くもないのに変な顔で笑ってみたり。
      言いたい事があれば言えばいいじゃん?」


愛「変な顔って…
      どうせ私なんて…」


臣「あぁ、そうゆうとこ!
     そうゆうとこがイライラすんだよ!」


愛「みんながみんな貴方みたいに
      なんていられない…」


臣「あっ?」


愛「人気者でいつも周りに人がたくさんいて
      そんな人には私の気持ちなんて
      分かんない…」


臣「 お前本当ブスだな…」


愛「分かってるよ、そんな事
     あなたに言われなくたって私が一番…」


臣「違うよ、、、
     俺が言ってんのは見た目じゃない!
     性格ブスって言ってるの!」


愛「何それ?あなたには関係ないでしょ?」



ガサガサ…



あっ!!!



掃除で扉が少しだけ空いていた様



その事に気が付かずに
話してる隙に
うさぎが出て行ってしまった



臣「ヤッベ!!
      おい、お前もたもたしてないで
      捕まえるぞ!!」


愛「ちょ、ちょっと待って💦」



3匹も逃走して
二人で必死になって
追いかけた



俺は派手に転んで
ズボンまで破れて、マジで最悪だ…



二人「はぁ、はぁ、はぁ…」



思わず二人して
顔を見合わせた



二人「ブハハハッ 笑」


愛「登坂くんズボンw」


臣「うっせー!
      お前だって顔に泥ついてるしw」


愛「あっ、本当だw
      ねぇ汗もすごいよw」


臣「いやーマジで焦ったわ!
      こんなのバレたら先生に怒られるだけじゃ
      すまなそうだし!」


愛「分かる!!
      途中からもう、必死w

      うさぎを捕まえたいのか怒られたく
      ないだけなのか分からなくなってたもんw」


臣「あははっ!確かにw
       あ〜よかった〜!!
  

      あっ、お前これ!!」

落ちたメガネを手渡す



臣「何だよ、お前!」


愛「えっ?」


臣「ちゃんと笑えるじゃん😁
      でかい声も出んじゃん!」


愛「えっ、そのぉ…」


臣「ずっとそうしてろよ?
      可笑しな顔して笑うんじゃなくて
      今の方がずっといいよ!

      その、、、

      さっきはごめん…嫌な言い方した…」



愛「フフッw
      登坂くんって変わってるね?」


臣「そうか?どこがだよ?」


愛「う〜ん、全部?w」


臣「なんだよそれ〜w

      それに、、、」


愛「ん?」


臣「メガネないほうがいいんじゃん?
  
      その〜なんてゆうか、、、
      悪くねーよ、お前」



普段は分厚いメガネをかけていて
気がつかなかっけど
よく見たらぱっちりした
綺麗な二重



カラコンでもしてるような
茶色い瞳



俺は何でか少しドキッしていた




それに…




どんな事がきっかけで
仲良くなるかなんて
分からないものだな…



人にも溶け込めないで
自分を表現する事が
何より苦手だったお前が
この日をキッカケに
いつの間にか少しずつ
俺には心を開くようになっていったよな?



そこから本当の
親友と呼べるまでになるには
時間は掛からなかった








成績優秀の愛



テスト前にはよくお前の家に
行って勉強教えてもらった



競歩大会では
運動が苦手なお前を
俺がサポートしたりして
ゴールまで一緒に歩いたり



修学旅行では鈍臭いお前のせいで
迷子になって
先生にガチギレされた事も
あったよな?



授業さぼって
二人で抜け出したり



お前が家のことでなんかある度に
うちに来て、泣き止むまで
そばに居たことも…





そして高校2年の夏
お前の両親は離婚して

俺の前からいなくなった…



それはあまりに当然のことだった



お前は俺にとっては
いつでも特別だった



だけど中学生でまだ恋愛なんて物も
よく分からない俺は
お前のことそんなふうには
考えられなくてさ…



ほんとただのクソガキ
だったんだと思う



一緒にいて楽な友達だと
お前の肩に手を回して笑っていた…



あの時お前は
どんな気持ちだった?



俺には想像をすら
できていなかった

 

あまりにガキで
お前を傷つけていたなんて






ごめんな…






出来ればあの頃に戻って
一からやり直すことが出来たなら
未来は少しは変わってたのかな?



運命の歯車はそれでも
止まる事をしらない




何も分からない、俺たちを巻き込んで
ひたすら前に進もうとしていた…