…side広臣



アパートから降りてきたミサ


思わず声をかけると
俺を見て目を丸くして驚いていた



やっと会えた…



目の前にいる彼女を見て
何でか泣きそうになった



一歩、また一歩と近づく



すると階段から
小走りで降りてきた壱馬



二人…
また一緒にいたのか…



複雑な想いが胸を騒つかせた



でも今は、、、

もぅそんな事は
どうだって良くて…



今更かもしれないけど
俺はお前に伝えなきゃ
ならないことがあるんだ…



壱馬の挑発的な態度にも
動じることなんてない



何を言われたって
俺の気持ちは
もぅ絶対に
揺らぐ事なんてないんだから











突然すごいスピードをあげて
突っ込んできた一台の車



ライトが照らされた先には
ミサが立っていた…



全て一瞬の出来事



何か考えてる間なんて
ただの1秒もなくて



その瞬間に身体が動いた…



とにかく無我夢中…



ミサを守る…



それは何も特別な
事なんかじゃなかったんだ













"痛ってー"



 
俺こんなとこで
死ぬの?



まだ
何も伝えられてないよ…






ミサ…



お前に会いたい…


笑顔が見たい…


もう一度抱きしめたい…



遠くからミサの声が
聞こえる…




ヤベェ…
会いたすぎて俺、幻聴が聞こえてる?



泣いてるの?



幻覚まで見えてきた…



泣くなよ…



そんな顔、、、すんなよ…



俺はお前の笑った顔が
見たいんだ…




そんな事を考えながら
俺は完全に意識を失った…




気がついた時には
病院のベットの上



目を覚ますと
あんなに会いたかったミサの姿は
どこにもなかった…



そこには涙目で俺の手を握る
茉由の姿があった



茉由「臣さん…、、よかった…泣」


臣「茉由…

     ずっとここに?」


茉由「うん…」


臣「そっか… 
      心配かけてごめんな…

      アイツ、、、ミサは?」


茉由「先輩なら大丈夫!」


臣「本当に?!」


茉由「臣さんが庇ってあげたんでしょ?」


臣「そんなカッコいいもんじゃねーよ。

      でも…よかった…」


茉由「そんなにミサ先輩が心配ですか?」


臣「……。

      茉由、、、俺っ、お前に…

      話があるんだ…」


茉由「ねぇ、辞めよ?

         意識戻ったばっかで
         手術だってしたんだから。

         今日はもぅ他のことなんて考えないで
         体しっかり休めて!?

         しばらくはちゃんと安静にしてなきゃ!!

         ねっ?!お願い!!」


臣「そんな顔すんなって。

      分かったから…」


茉由「マネージャーさん達
         さっきまで来てたんだけど、、、

         また明日来るって!
         皆さん心配してたよ?💦」


臣「スケジュールパツパツだったのに
      色々な所にも迷惑かけちゃたな…

      俺、ツアー間に合うかな…

      マスコミ対応もあるだろうし、
      みんなに合わす顔、、、ないわ…」


茉由「臣さん……。

         今は、焦ったらダメだよ…
         まずは身体のこと優先させて!

         私の出来る事なら何でもするから
         何でも言ってください!

         だから元気出して!😊」



茉由は泣きはらした様な
腫れた目で
ニコッと笑ってみせた



その顔がどうにも切なく
映る…



だけど俺の頭の中には
ミサの事しかまるで無かった…









翌日の病室



午後から検査をいくつか受けて
病室に戻ると

何やら騒がしい…
  

みんな「臣!!」


臣「勢揃いってw」


隆二「臣、、、」



駆け寄ると
いきなりハグしてきた隆二



隆二「あ〜マジでよかったよ!!
         俺のせいで…マジでゴメン、、、

         俺がミサちゃんのとこ行ってこいなんて
         言ったから…」


臣「痛っ、痛てーよ!!!」


隆二「あっ、悪い💦」


臣「ってか何でそうなるんだよw
      隆二のせいなんかじゃねーよ!

       背中押してくれて感謝してんだよ!」


NAOTO「臣!!!お前大丈夫なのかよ!?」


直己「いやーもぅ俺、
         事故の話、聞いてから
         生きた心地しなかったわー💦 

         勘弁してくれよ?」


臣「そのぉ、、、
      迷惑かけちゃって本当にすみません…

      スケジュール止めちゃって
      本当申し訳ないです…」


直己「事故だったんだから、自分を責めるな?」


NAOTO「不幸中の幸いって事だし、
              俺らの事は気にすんな!!」


直己「普段休みなく働いてるんだし
         こんな機会でもないとなかなか
         休みも取れないんだから!

         せっかくならゆっくり体、休めてこいよ!」


健二郎「そうやで!!
            それに、困った時のメンバーやん?
            俺らがちゃんとフォローしたったるから
            何も心配せんでええで!

            臣ちゃんは自分の体の事だけ考えや?」


エリー「臣さんはやっぱ強運の持ち主だよね!
            あんな大きい事故にあっても
            大丈夫だったんだから、
            やっぱ最強だわー!」


剛典「そりゃ臣さんだもんw
         俺は最初から大丈夫だって
         信じてましたけどね!」


隆二「よく言うよ!
         岩ちゃんが一番ソワソワしてたじゃんw」


剛典「もぅ!!
         そうゆう隆二さんこそ泣きそうな顔
         してたじゃないっすか!!」


隆二「ちょっと、岩ちゃんそれ言うなよなー」


剛典「隆二さんこそー!!」


NAOTO「はいはいはいはい!!!
              お前らガキじゃねーんだからw

              ここ病室!!ねっ!!」


エリー「いやーそうゆうNAOTOさんなんて
            むしろ泣いてましたよね?」


健二郎「泣いとった!!
         近くにおらんなって思ってたら
         めっちゃ部屋端の方でガチ泣しとったわw」

NAOTO「おい、お前ら!!それ言うなよー!!」


健二郎「NAOTOさんすぐ泣くからな!
             やっぱ歳のせいですか?」


NAOTO「いやいや、可笑しい可笑しい💦
          年齢は関係ない!!!
          言うてそんな俺ら変わんねーからw

          いや、俺リーダーとして止めに入ったのに
          何でいじられてんの?

          今、臣の事で集まってんだから
          俺のことはいいのよー💦」


臣「フフッw

      みんなマジでありがとう!

      俺の居ない間、
      ヨロシクお願いします!」



みんな多忙な中
わざわざ顔見に病院まで
来てくれるなんて



俺は本当に幸せものだ



あとはここにミサが居てくれれば…



ふとそんな事を考えずには
居られなかった…



事故を目の前で見て
きっとミサはまた自分のことを
攻めているのかな…



頼むからもうこれ以上
悲しまないで



苦しまないで…





俺ならもぅ
大丈夫…




だから笑っていて…