ワンライ:『目眩がするほど甘い口づけ』
遼一さんに手を引かれて
サンドリオンを歩く。
今日はVIPの皆さんと一緒に
遼一さんのバースデーパーティをしていたのだけれど。
皆さんと一通りお話して、
ケーキを食べて一段落した頃、
遼一さんが私を連れて抜け出した。
「遼一さん、抜け出してよかったんですか?」
「どうせもうお開きでしょ、皆も分かってたと思うけど」
「分かってた…って」
「俺の誕生日なんだから、
ご奉仕してくれるんでしょ?」
そう言われて、顔が赤くなるのを感じる。
そんなわたしを見て、
遼一さんは満足そうにわたしの腰に手をまわし、
プライベートルームへと招き入れた。
ソファに座るやいなや、
わたしのドレスのファスナーに手をかける
遼一さんを慌てて止める。
「りょ、遼一さん!
パーティ、いかがでしたか?」
「......そうねえ」
遼一さんの顔を見つめながら
その答えを待っていると、
遼一さんはいきなり
深く口づけてきた。
「!!!??」
心の準備をする間もない
突然の深くて甘いキスに
力が抜けていく。
...
今年の誕生日はいつものような
バレバレのサプライズではなく、
みきと皐月さんたちが計画したパーティへの招待だった。
みきが企画したというだけあって、
普段のパーティのような豪華さはなかったが、
サンドリオンの料理に、
みきが前日から作っていたであろうケーキ。
気の合う仲間たちと過ごしていた時間は
柄にもなく舞い上がっていたように感じる。
頃合を見計らって、
みきと一緒にパーティを抜け、
プライベートルームへと連れ込んだ。
仲間たちと過ごす誕生日も悪くはないが、
やっぱりみきと2人で過ごす誕生日を味わいたいと思うからだ。
「俺もけっこう青臭いな..」
「え?」
聞き返したみきの追及をごまかすように、
ソファに押し倒してドレスのファスナーに手をかける。
「りょ、遼一さん!
パーティ、いかがでしたか?」
そう問われ、思わず手を止めて考える。
「......そうねえ」
少し間を空けてのみきへの答えは
深いキスを贈ることにした。
「!!!??」
突然のキスにみきは戸惑っていたが、
やがてその身体から力が抜けていく。
もちろんパーティは楽しかった。
みきが俺のことを想って、
俺が喜ぶように考えてくれているパーティだったから。
そんなみきの気持ちを嬉しく思うとともに。
それをサンドリオンの連中と準備していたという
小さなことが気にかかる。
なんて俺らしくないななんて思いながら
「お前からのプレゼントもらってから
教えてやるよ」
そう言ってもう一度
甘くて深いキスをした。



