前回記事にも書きましたが、
マーティン・スコセッシ監督による映画
「沈黙」
初日の今日、早速観てきました。
とにかく、とにかく静か。
静かで、本当に哀しい。
そして、残酷な拷問よりも、もっとずっと辛くて残酷な
辛いお話でした。
思ったより原作に忠実で、
どちらかとギャングや、暴力と言ったイメージだった
マーティン・スコセッシ監督ですが、
なんだか、日本映画のように、日本人が腑に落ちる感じの
上質な映画に出来ていたなあと、そんな感じでした。
エンドロール時、静かな波の音と虫の声だけでしたが
その音を聞きながら、涙がどんどんどんどん流れてしまいました。
感動ではなく、ひたすら哀しい感じのね。
ネタバレになるので、残念ながら余り語れませんが
これは単なる娯楽映画ではありません。
10代の若い人にはちょっと理解に苦しむ部分もあるでしょう。
恐らくは、世界的な大ヒットにはならないような気がします。
だけれど、幼い頃牧師になろうかと考えていた
マーティン・スコセッシ監督の想いが
たくさん詰まっているように思います。
あと、
お芝居に関して言えば、イッセー尾形さんの
井上筑後守、サイコーですね

昔。やはりイッセー尾形さんの 「太陽」。昭和天皇の役でしたが
もう。シリアスな話なのに、あまりに「昭和天皇」過ぎて
びっくりしたのを覚えています。
彼は、アメリカではオスカーもアリかも、という高評価を得ているようです。
もしかしたら、もう一度
見に行くかも。
昔、「人体の不思議展」というのを見に行きました。
本物の人体標本の展示なんです。
興味本位で行ってみたのですが
本物の、まさに少し前まで生きていたような
人間の圧倒的な迫力に、言葉を失ったのを覚えています。
しばらくはハムやベーコンを食べられなかったっけ

その時思った事。
自分では普段わからないけれど
これだけ繊細に綿密に、完璧にヒトという生物を創るって
「ああ、やはり神様はいらっしゃるんだろうなあ」と
心から思ったものです。
なぜ神はいつも沈黙しておられるのか・・・
遠藤周作先生の原作「沈黙」は、
信仰のタブーとも言える部分を描いた名作です。
私などには沈黙の理由は分からないけれど
神様は、遠いお空の向こうに居られるのではないんじゃないか
きっとそれぞれの
胸の中に住んで居られるのではないか
そんな風に思います。今日は映画を見、
パンフレットを見て、
物想いにふけっています…